メルセデス・ベンツの新しいマーケティング戦略とは?

2011年8月19日8:00

新しい情報発信基地(カフェ、レストランとして利用できる)「メルセデス・ベンツ コネクション」をオープン
会員化によりカフェやレストランの利用者を将来の自動車購入に結び付ける

東京港区六本木に、メルセデス・ベンツが新しくオープンした「Mercedes-Benz Connection(メルセデス・ベンツ コネクション)」。自動車メーカーのメルセデス・ベンツが、カフェやレストランがメインとなる同施設をオープンした狙いとは一体何なのだろうか?

メルセデス・ベンツ日本

ターゲットは30~40代の女性

会員にはオシャレな小型カードを発行

カフェ、レストランに加え、メルセデス・ベンツに関する情報の発信や各種イベントを行う「メルセデス・ベンツ コネクション」が2011年7月16日から2012年12月31日までの期間限定で、六本木にオープンした。同施設はカフェやレストラン、自動車を展示するギャラリーを持ち、グッズの販売なども行っている。

カフェやレストランが利用できる「メルセデス・ベンツ コネクション」が六本木にオープン

「カフェやレストランなどに興味のある30代、40代の女性とメルセデス・ベンツをつなぐ場として、メルセデス・ベンツ コネクションをオープンしました。自動車にご興味のある方は、販売店に足を運んでいただけますが、それ以外のお客様に対し、メルセデスらしいオシャレな環境を提供することにより、メルセデス・ベンツに興味のなかった方にも気軽に足を運んでもらい、将来的にメルセデス・ベンツの購入に結び付けるのが狙いです」(Mercedes-Benz Connection チーフマネージャー 廣澤臣哉氏)

1階には早朝からオープンするカフェのほか、メルセデス・ベンツのオリジナルグッズや雑貨の販売を行うスペースが設けられ、2階にはビュッフェスタイルのランチが楽しめたり、夜はバーとしても利用できるレストランラウンジが設置されている。カフェやレストランは、比較的リーズナブルな値段で利用できるが、「品質、雰囲気はメルセデスらしさを保っています」と廣澤氏は話す。また、自動車を展示するギャラリーのスペースは全体の4分の1程度に抑えている。

バッグや携帯電話、キーホルダーなどにつけることが可能な「メルセデス. コネクテッド カード」

同施設では、独自の会員制プログラム「メルセデス. コネクテッド」を展開。会員になると、2012年12月31日(予定)までの期間限定で使用できるポイントカード「メルセデス. コネクテッド カード」を手にすることができる。同カードは、通常のカードよりもサイズが一回り小さく、カードの左下部分に丸い穴が空いているため、バッグや携帯電話、キーホルダーなどにつけて持ち歩くことも可能だ。

会員には入会ポイントとして50ポイントをプレゼントし、施設内での飲食やグッズの購入時に100円ごとに10ポイントを付与している。さらに、アンケートの回答や特定のイベントへの参加でもポイントを付与することで、顧客の囲い込みを図っている。

会員は貯まったポイントを、400、1,600、5,000ポイントごとに、ドリンクやランチなどの景品と交換したり、特別な試乗体験をすることができる。

館内にはWi-Fi環境も整っており、会員はIDの登録により、いつでも無料で利用することが可能だ。さらに、会員限定の特別なイベントへの招待やWebにおいて専用コンテンツを閲覧できるなどの特典も用意する方針だ。

会員登録はOptimus Padを使用

登録者の7割がメルセデス以外の自動車ユーザー

会員の登録は、LG Electronics社製タブレット端末「Optimus Pad(オプティマス パッド)」を利用して行っている。同タブレットを用いることで、紙の入力が不要となり、個人情報の管理がより確実に行える。

「Optimus Pad」を利用した会員登録のイメージ

入会希望者は、Optimus Padに住所や氏名といった個人情報に加え、所有している自動車やメルセデス・ベンツに対するイメージについてのアンケートに回答する。同社ではその情報をベースに、ポイントカードやプリペイドカードのシステムを提供するレピカのCRMシステム「rapico(ラピコ)」を活用し、顧客の属性に応じた情報提供を行う予定だ。rapicoは、取得できる属性情報の拡張性が高いため、メルセデス. コネクテッドオリジナルの会員属性情報が取得できるように設計されている。会員向けメルマガ配信では、その属性情報やポイント情報からのセグメント配信も可能であり、よりターゲットを限定したメール配信が行えるのが特徴だ。

「会員データのセグメントでキーになるのは年齢層と性別、メルセデス・ベンツユーザであるかないか、メルセデス・ベンツへの関心度の高さになります。現在、約1,000人超の方がメルセデス. コネクッテッドに登録していただいておりますが、お陰さまで、2階のレストランの利用者の6~7割は女性であり、メルセデス・ベンツオーナー以外の方は約7割を占めています。メルセデス. コネクテッドにより、将来的にメルセデス・ベンツのファンになっていただきたいですね」(廣澤氏)

メルマガを活用して顧客を囲い込む

将来的にはメルセデス・ベンツのユーザーを目指す

同社では今後、自動車に興味のある会員に対しては、メルセデス・ベンツの新モデルを先行紹介する機会などをメルマガを通して積極的に発信する予定だ。逆に自動車に興味がない人に対しては、まずはイベントなどへ招待し、メルセデスを身近に感じてもらい、将来的に自動車の販売に結び付けていきたいとしている。

Mercedes-Benz Connection チーフマネージャー 廣澤臣哉氏

なお、会員の個人情報に関しては、メルセデス・ベンツに帰属するため、同施設終了後も継続してメルセデス・ベンツからのアプローチが可能となっている。

メルセデス・ベンツ コネクションの施設名の由来でもある「コネクト」は、『つながる/つなげる』を意味している。その名の通り、同施設は、多くの人に気軽に足を運んでもらえる空間となることを目指している。廣澤氏は最後に、「施設がオープンしている18カ月の間、メルセデス. コネクテッドにより充実したサービスを行うことで、当施設のリピーターになっていただき、ひいてはメルセデス・ベンツの購入に結び付ける仕掛けを考えていきたいと思います」と力強く語ってくれた。

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