2013年10月30日 8:00

ジャックスカードの高還元率カード徹底比較

株式会社ポイ探 代表取締役 菊地崇仁

超高還元率クレジットカードといえば「漢方スタイルクラブカード」や「Reader’s Card(リーダーズカード)」、「REX CARD(REXカード)」などが挙げられる。これらの券面を見ると全て「JACCS」のロゴがある。全てジャックスカードが発行しているカードだ。

今回は、ジャックスカードが発行しているカードの中でも特に還元率が高いクレジットカード「漢方スタイルクラブカード」「Extreme Card(エクストリームカード)」「リーダーズカード」「REXカード」「Ponta Premium Plus(ポンタプレミアムプラス)」の5枚を比較したい。

前回と同じように、それぞれのカードの特徴を確認しよう。

ボーナスポイントで還元率最大2.0% 「漢方スタイルクラブカード」

「漢方スタイルクラブカード」
「漢方スタイルクラブカード」

雑誌などのクレジットカードの特集記事では、ほぼNo.1カードに輝く「漢方スタイルクラブカード」。2012年11月以前は、「郵送でのポイント交換が必要」「国際ブランドがJCBのみ」の制限もあったが、その制限を考えてもボーナスポイントで還元率最大2.0%は魅力的だった。

現在は、「ポイントをWebで交換可能」「Visaブランドの追加」「家族カードの追加」とほぼ死角がないカードになっている。さらに、毎年2月・8月頃にポイントレートアップキャンペーンが行われ、期間中は還元率が2.0%となる。

欠点としては、月額利用金額2000円に対して7ポイント付与のため、「2000円未満の端数にはポイントが付与されないこと」、「年会費が1500円(税抜)かかる」ことだろう。

「Gポイント」への交換で還元率アップ 「エクストリームカード」

「Extreme Card(エクストリームカード)」
「Extreme Card(エクストリームカード)」

ジャックスカードの多くは「Jデポ」という、利用金額からポイント分の値引きを行う還元方法が主流だ。先ほどの「漢方スタイルクラブカード」、これから解説する「リーダーズカード」「REXカード」もこの「Jデポ」での還元となる。「エクストリームカード」でも「Jデポ」に交換可能で、還元率は1.25%と一般的なカード以上ではあるが、今回取り上げたカードの中では低い方だ。

しかし、「エクストリームカード」の最大の特徴はポイント交換サイト「Gポイント」への交換の場合に還元率が1.5%とアップすることだ。また、年間30万円(税込)以上利用すると次年度の年会費も無料(それ未満は3000円(税抜))となるため、月に3万円程度のカード利用者にとってはメインカードとなり得るだろう。

Amazon利用者には最強 「リーダーズカード」

「Reader's Card(リーダーズカード)」
「Reader’s Card(リーダーズカード)」

先月の「ネットで貯まる・使える高還元カードを徹底比較」でも紹介した「リーダーズカード」。特徴を再度確認すると、年間50万円(税込)以上の利用で年会費が無料(それ未満は2500円(税抜))。貯まったポイントはAmazon利用金額に充当することが可能だ。この場合の還元率は1.8%と超高還元(Amazon限定にしない場合は1.5%)。

Amazon利用者であればメインカードの筆頭と言える。

保険を選べる 「REXカード」

「REX CARD(REXカード)」
「REX CARD(REXカード)」

年間50万円以上での利用で年会費が無料になる(それ未満は2500円(税抜))「リーダーズカード」、還元率1.75%で2000円ごとにポイントが付与される「漢方スタイルクラブカード」の特徴を引き継いだようなカードだ。ポイントの利用道は、上記カードと同様「Jデポ」となる。

「REXカード」は価格.comとの提携カードのため、価格.comで安心して買い物ができる「価格.com安心支払い」サービスを利用すると還元率が2.0%となる。ただし、「安心取引料」が別途必要となるため、2.0%還元のメリットは小さい。

「REXカード」の最大の特徴は「ポイントプログラム」よりも、申込時に「ショッピングプロテクション」と「海外旅行傷害保険・国内旅行傷害保険」のどちらかを選ぶことが可能ということだろう。今回取り上げたカードは「ショッピングプロテクション」が付随しておらず、唯一「ショッピングプロテクション」を選べるカードとなっている。

貯まるポイントはPontaポイント 「ポンタプレミアムプラス」

「Ponta Premium Plus(ポンタ プレミアム プラス)」
「Ponta Premium Plus(ポンタ プレミアム プラス)」

年間5万円以上の利用で年会費が無料(それ未満は2000円(税抜))。月に5000円程度の決済で年会費が無料となるので保有しやすいカードといえる。

付与されるポイントは「Pontaポイント」。Pontaカードの機能も搭載されているため、Ponta加盟店では提示+決済で2.0%還元となる(それ以外の加盟店では1.0%)。今まで取り上げた4枚のカードは還元率1.5%以上のカードとなっているため、還元率1%は見劣りする。しかし、ポイントの付与が月額利用金額100円につき1ポイント付与のため端数が無駄になりにくい。

また、Pontaポイントは使いやすく、「ポンタプレミアムプラス」で決済している限りポイントの有効期限を考える必要はないのは大きなメリットと言える。

年会費が無料になる条件で最適カードが変わる

それぞれのカードスペックを比較する(表1参照)。今回も、”お得”だけを比較するために、付帯サービスの項目は入れていない。また、リボ払いの時に還元率がアップする場合もあるが、リボ払いは考慮しないこととする。

表1.カードスペック

  漢方スタイルクラブカード エクストリームカード リーダーズカード REXカード ポンタプレミアムプラス
ポイント名 KAMPO STYLE CLUBポイント Extreme Cardポイント Reader’s Card ポイント REXポイント Pontaポイント
カード利用時のポイント付与条件(税込) 月額利用金額2000円に付き7ポイント 月額利用金額1000円に付き10ポイント 月額利用金額1000円に付き15ポイント 月額利用金額2000円に付き35ポイント 月額利用金額100円に付き1ポイント
1ポイントの価値 5円 1.25~1.5円 1~1.2円 1円 1円
還元率 1.75~2.0% 1.25~1.5% 1.5~1.8% 1.75% 1.0%
年会費
(税抜)
初年度 無料 無料 無料 無料 無料
次年度 1500円 3000円
(前年度30万円の利用で無料)
2500円
(前年度50万円の利用で無料)
2500円
(前年度50万円の利用で無料)
2000円
(前年度5万円の利用で無料)
ボーナスポイント 年間58万円~100万円未満の利用で250ポイント、100万円以上の利用で500ポイント なし なし なし 毎年7月、12月の利用金額
月間利用額10万円以上で0.5%上乗せ
月間利用額20万円以上で1.0%上乗せ
国際ブランド JCB、Visa Visa Visa Visa JCB

比較をする際の条件として「エクストリームカード」は還元率を1.5%で固定した。また、「リーダーズカード」の還元率を1.5%、1.8%の2パターンで比較する。

上記条件を元に、年会費が無料となる条件・ボーナスポイントを考慮して考える。まず、「リーダーズカード」の還元率が1.5%、1.8%のどちらでも年間利用額が50万円未満で有利なカードは同じであるため、最初に年間利用額が50万円未満について解説する(表2)。

表2.年間利用額50万円未満でおすすめのカード

年間利用額 1番 2番
1~5万円未満 ---
5万円~21万円未満 ポンタプレミアムプラス
(500円~2000円)
漢方スタイルクラブカード
(-750円~1925円)
21万円~30万円未満 漢方スタイルクラブカード
(2100円~3500円)
ポンタプレミアムプラス
(2100円~2900円)
30万円~50万円未満 エクストリームカード
(4500円~7350円)
漢方スタイルクラブカード
(3675円~7000円)

まずは年間利用額が1万円以上5万円未満の場合、全てのカードで年会費が必要になるため、これらのカードを保有するメリットはない。年会費が無料で、還元率が1%以上のカードを選ぶべきだ(楽天カード、Yahoo! JAPAN JCBカード等)。

次に、5万円以上21万円未満の場合はどうだろうか。この場合は5万円以上の利用で年会費が無料となる「ポンタプレミアムプラス」が有利(1番と書かれている欄)となり、括弧内は実際の還元金額となる(5万円の利用で500円分のポイントが還元される)ことを示している。さらに21万円以上30万円未満の場合を見ると「漢方スタイルクラブカード」が、30万円以上50万円未満の場合は、年間30万円以上の利用で年会費が無料となる「エクストリームカード」が圧倒的なパフォーマンスを発揮する。

年間利用額が50万円以上の場合はAmazonを利用するかどうかが鍵

年間利用金額が50万円以上の場合を確認しよう。この場合にキーとなるのが「Amazonを定期的に利用するか」だろう。

まず、Amazonを定期的に利用しない場合について考えたい(表3:左)。「リーダーズカード」の還元率は1.5%となるため選択肢から外れる。50万円以上100万円未満の場合は年会費が無料となるため「REXカード」が有利に、100万円以上の場合は年会費が無料とはならないが、500ポイントのボーナスポイントにより還元率2.0%となる「漢方スタイルクラブカード」が最強となる。

表3.年間利用額50万円以上でおすすめのカード

年間利用額 「リーダーズカード」の還元率を1.5%とした場合 「リーダーズカード」の還元率を1.8%とした場合
1番 2番 1番 2番
50万円~58万円未満 REXカード
(8750円~9975円)
エクストリームカード/
リーダーズカード
(7500円~8550円)
リーダーズカード
(9000円~10260円)
REXカード
(8750円~9975円)
58万円~100万円未満 REXカード
(10150円~17325円)
漢方スタイルクラブカード
(9825円~17000円)
リーダーズカード
(10440円~17820円)
REXカード
(10150円~17325円)
100万円~185万円未満 漢方スタイルクラブカード
(18425円~33125円)
REXカード
(17500円~32200円)
漢方スタイルクラブカード
(18425円~33125円)
リーダーズカード
(18000円~33120円)
185万円以上 漢方スタイルクラブカード
(33300円~)
REXカード
(32375円~)
リーダーズカード
(33300円~)
漢方スタイルクラブカード
(33300円~)

次に、「Amazonを定期的に利用する」場合はどうだろうか(表3:右)。まず、50万円以上100万円未満の場合は「リーダーズカード」が有利となる。「リーダーズカード」と「REXカード」の年会費が無料となる条件が重なるため、1.8%還元と1.75%還元の0.05%分「リーダーズカード」が上回る。100万円以上185万円未満の場合は、「漢方スタイルクラブカード」のボーナスポイントが効いてくる。ただし、それ以上のボーナスポイントが無いため、徐々に還元率が「リーダーズカード」に近づき、185万円以上の利用で再度逆転する。

100万円以上185万円未満の欄をもう一度確認して欲しい。1番有利な「漢方スタイルクラブカード」と2番目の「リーダーズカード」で獲得できるポイントの差は180円~425円程度である。「漢方スタイルクラブカード」のポイントは2000円ごと、「リーダーズカード」のポイントは1,000円ごとに付与されるため、利用金額の切り捨てが大きいのは「漢方スタイルクラブカード」だ。このことを考えると、180円~425円程度の差はそれほど大きくはない。また、年間利用額は変わることも考慮すると、年間利用額が50万円以上利用する場合は「リーダーズカード一択」と考えて良いだろう。

最後に、年間利用額に応じたおすすめのカードをまとめると以下のようになる。自分の毎月の出費を洗い出し、年間利用金額を計算。下記表に当てはめると高還元率カードの中から最適なカードが選べるはずだ。

表4.年間利用額に応じたおすすめのカード

年間利用額 還元金額の高いおすすめカード
Amazonを利用する Amazonを利用しない
1万円~5万円未満 年会費無料の還元率1.0%以上のカード
5万円~21万円未満 ポンタプレミアムプラス
21万円~30万円未満 漢方スタイルクラブカード
30万円~50万円未満 エクストリームカード
50万円~100万円未満 リーダーズカード REXカード
100万円以上 漢方スタイルクラブカード
菊地 崇仁(きくち たかひと)
1998年に法政大学工学部を卒業後、同年日本電信電話株式会社(現NTT東日本)に入社。社内システムの開発、Lモードの料金システム開発、フレッツ網の機器検証等に携わり2002年に退社。同年、友人と共に起業し、システムの設計・開発・運用を行う。2006年、ポイント交換案内サービス・ポイ探の開発に携わり、2011年3月代表取締役に就任。ポイント探検倶楽部に掲載されているポイントは約230種類。ポイントやマイルを中立の立場で語れる数少ない専門家として知られる。
二児の父であり家計のやりくりをすべて担当。ポイントのみならず、クレジットカードや保険なども守備範囲で、近年は投資にも挑戦している。著書は「新かんたんポイント&カード生活(自由国民社)」、「得するポイント(カード)の貯め方・使い方(日本監督協会)」。運営サイトは「ポイント探検倶楽部(ポイ探)」「株式会社ポイ探」「菊地崇仁オフィシャルホームページ」等。

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