オムニチャネル・コマースの実現を目指す「PayPal」の取り組みは?

2014年3月20日8:00

オムニチャネル・コマースの実現を目指す「PayPal」の取り組みは?
Samsungと提携しウェアラブルデバイス投入、指紋認証機能をリリース

PayPalは、バルセロナで開催されたモバイル・ワールド・コングレスにおいて、Samsungの最新ウェアラブル機器である「Gear2」が、モバイルアプリ「PayPal」を利用して「ペイパル チェックイン支払い」に対応したと発表した。また、Samsungの新製品「GALAXY S5」の指紋センサー技術を利用した決済においても提携している。今回は、PayPal デベロップメント グローバルディレクターJohn Lunn氏に同社のサービスについて話を聞いた。

「Gear2」が「ペイパル チェックイン支払い」に対応
「PayPal Beacon」と連携し顧客利便性を強化

――Samsungの最新ウェアラブル機器である「Gear2」が、モバイルアプリ「PayPal」を利用して「ペイパル チェックイン支払い」に対応しました。
John Lunn:「Gear2」では新しいアプリを開発しました。お客様がお店に行かれる前に決済を行い、お店ではお客様が到着した時にお顔の画像で確認可能です。「ペイパル チェックイン支払い」は、すでに1年半前からサービスを展開していますが、「Gear2」等のウェアラブル機器に搭載するのは初めてとなります。

PayPal デベロップメント グローバルディレクターJohn Lunn氏
PayPal デベロップメント グローバルディレクターJohn Lunn氏

――「Gear2」に搭載することによる付加価値についてはいかがでしょうか?
John Lunn:搭載には3つのポイントがあって、まずは便利です。2つめはスマートフォンを使うとバッテリーを消費してしまいますが、Gear2はそれほどバッテリーを消費しません。3つめは、新しい情報をお客様に対してプッシュ配信できます。

――「Gear2」を利用した「ペイパル チェックイン支払い」のローンチについてはいかがでしょうか?
John Lunn:現状、「Gear2」でいつ使えるようになるかは決まっていません。デバイス自体はオフィシャルローンチされた際には使えるようになる予定です。PayPalでは、「PayPal Beacon」をローンチしましたが、それがあるので低エネルギーのBluetoothで、お客様がお店に入ったら「Gear2」で認識できます。お客様は、一番最初はチェックインしなければいけませんが、2回目以降はすでに情報が登録されているので、チェックインは不要です。なお、「PayPal Beacon」については、まだベータステージですが、今年早めにローンチする予定です。低コストのハードウェアなので、多くの加盟店が利用すると思います。

――日本でも「PayPal Beacon」など、Beaconの注目度は高いです。
John Lunn:Beaconのテクノロジは、新しい技術なのですごく盛り上がると思います。「PayPal Beacon」を使うと加盟店のお客様の情報がわかり、クラウドともつながっているため、面白いことができると考えています。導入コストについても安価に提供が可能です。

――iBeaconなど、他の技術との差別化についてはいかがでしょうか?
John Lunn:iBeaconの場合、通信できるデータが限られます。「PayPal Beacon」を使うと、カスタマーから加盟店にデータの送信が可能で、CRMに活用できます。また、「PayPal Beacon」はインターネットへの接続がなくても利用できるのがメリットです。

Samsungの「GALAXY S5」で指紋認証によるログインを実施
モバイルペイメントの売上が3年前から毎年倍増

――Samsungとは、新製品「GALAXY S5」の指紋センサー技術を利用した決済において提携したと発表しましたね。
John Lunn:Samsungとの提携により、ペイパルアカウントにIDおよびパスワードを都度入力することなく指紋認証のみでログインでき、支払いが可能です。パスワードについては、1人が平均60個持っていて、90%がトップ100のパスワードの中に入っていると言われています。そのため、他の方法で決済ができればすごく便利です。まずは、PayPalとSamsungが両方活動している26カ国でサービスを開始します。

PayPalがSamsungの最新ウェアラブル機器 「Gear 2」に対応(出典:PayPal)
PayPalがSamsungの最新ウェアラブル機器 「Gear 2」に対応(出典:PayPal)

――今後、指紋を活用した決済は浸透していくのでしょうか?
John Lunn:弊社としては、指紋に加え、トークンなどの動的な決済など、あくまでもコンシューマに選択肢を与えたいと考えています。例えば、ドイツではQRコードを使って決済が行われています。

――世界的に「ペイパル チェックイン支払い」と「OrderAhead」の導入は進んでいるのでしょうか?
John Lunn:普及の成長率は非常に高く、数千件の加盟店が使っています。例えば、イギリスに行ってペイパルのアプリを開くと近くで使えるところがたくさん出てきます。

――スマートフォン決済サービス「PayPal Here」についての導入成果はいかがでしょうか
John Lunn:「PayPal Here」は米国、シンガポール、オーストラリア、日本などで展開しています。「PayPal Here」対応の加盟店は自動的に「ペイパル チェックイン支払い」の加盟店となります。

――今後は、ライアビリティシフトの適用を踏まえ、マグストライプからEMV ICカードへの流れが予想されます。
John Lunn:すでにヨーロッパでは“チップ&ピン”の端末を提供しています。確かにマグストライプオンリーの端末よりも高いですが、それほど高い値段ではありません。

――最後に今後の目標についてお聞かせください。
PayPalのモバイルペイメントの売上が3年前から毎年倍増しています。3年前は60億、昨年は140.27億、今年は270億になっています。現状、ペイパルの売上の50%がモバイルの売上のため、今後はリテール業界への展開を強化することで成長していきたいです。

※取材は「モバイル・ワールド・コングレス」にて

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