J. フロント リテイリンググループの決済・金融事業を担うJFRカードは、2025年9月1日より、JFRカードが発行する「大丸松坂屋カード」(一般:初年度年会費無料、ゴールド年会費1万1,000円)において、最短審査5分で即時発行・即時利用が可能となる新サービスを開始するなど、会員サービスを強化しています。
JFRカード カード事業本部 商品企画部長 河合雄一氏に同カードの強みについて話を伺いました。
JFRカードは大丸松坂屋やPARCOでの買い物で高還元!手厚い買い物保証付きのショッピング向きカード

JFRカード カード事業本部 商品企画部長 河合雄一氏
――まずは大丸松坂屋カードの現在の公表数値についてお聞かせください。
河合:2025年8月末時点で、一般の大丸松坂屋カードが約90万枚、ゴールドカードが約5万枚、お得意様ゴールドカード(外商カード)が約30万枚です。
取扱高は個別カードでは公表していませんが、当社全体の取扱高は昨年度は約4,900億円となります。

――取扱高は伸びているのでしょうか?
河合:「PARCOカード」「博多大丸カード」が始まり、新しいカードが出ていますので、トータルは伸びています。
「GINZA SIXカード」も2024年4月に始まっています。
GINZA SIXは店舗は1カ所だけですが、パルコは全国で15店舗あります。

――大丸松坂屋カードの基本スペックを教えてください。
河合:大丸松坂屋カードは、国際ブランドVisaが付いており、初年度年会費無料です。
2年目以降は本会員年会費として2,200円(税込)をいただきますが、「マイ・ペイすリボ」に登録して年1回以上のリボ払い手数料を支払うことで、次年度の年会費を無料にすることができます。
大丸・松坂屋での利用で「大丸松坂屋ポイント」と「QIRAポイント」の2種類が貯まるのが特徴です。
大丸・松坂屋での利用は最大5%還元と高還元で、外部のVisa加盟店では100円(税込)につき1QIRAポイント(一般カードは200円(税込)につき1QIRAポイント)
が貯まります。
ショッピングカードという認識であり、付帯保険のショッピングプロテクションは他社とは違う独特なものです。
具体的には、通常は損害補償できる期間を90日程度に定められていたり、金額も100万円程度ある商品が多い中、大丸松坂屋カードは、一般カードでも200万円まで保証しているほか、百貨店で安心して買い物をしていただきたいという思いから、付帯保険の保証期間を180日まで延ばしています。
家族カードの年会費を無料にするなど、お客様の声を聞きながら、少しずつマイナーチェンジしてきました。
当社はグループ内のカード会社で、グループとしては百貨店で買い物していただきたいという気持ちがあります。
大丸松坂屋カードを使っていただければ、ポイントが貯まるというだけではなく、保証も含めて、安心して買い物を楽しんでいただける世界観を目指しています。
そのため、プラチナを超えるレベルのショッピングプロテクションを付けています。
百貨店で買い物する人にとっては刺さるポイントです。
あとは、他社のプラチナカードで「招待日和」の優待サービスがありますが、大丸松坂屋カードはゴールドカードに「招待日和」を付けています。
コスパが高い商品性で、ご利用いただけるようになっています。
――一般とゴールドの位置づけの違いは何でしょうか?
河合:お得意様ゴールドカードは外商顧客向けサービスであり、通常のカードとは異なり専属係員によるコンシェルジュサービスなど百貨店ならではのエクスクルーシブなサービスがあります。
一方通常のゴールドカードは、競合他社のゴールドカード年会費は下がってきており、マーケットを見ながらもう少し商品改善していかなければならないという認識です。
一般カードでご利用いただくお客様がもう一つ上のサービスを利用したいと思っていただける商品設計に変えていくべきだと考えています。
ゴールドカードの会員数は横ばいです。
JFRカードで人気がある特典や利用者の具体的な傾向
――大丸松坂屋カードで人気の特典は何ですか?
河合:基本的には百貨店の中のサービスを使いたいニーズが高いのでショッピングプロテクションは好評です。
また、ゴールドカード以上の「招待日和」も好評です。
さらに、グループ外のサービスでは、例えばリロクラブのサービスを付帯していて、よく利用されているように、当社が提供できないようなエンタメやレジャーのサービスをご利用いただいているケースは多いと思います。
――具体的な利用者の傾向を教えてください。
河合:インフレでブランドの値上げが起因しているところもありますが、特にグループ内利用での単価は上がってきています。
全体の金額で言うと、ほぼグループ内と外部加盟店利用は半々です。
金額としては、世の中的には外部加盟店はもう少し利用されてもいいですね。
昔ながらのお客様は、百貨店カードと言う認識を持っていますが、日常利用も含めて大丸松坂屋カードという認識を浸透させたいです。
既存会員の年代は女性のアッパー層が多いですが、若い層も取り込もうとしており、アプリで即時発行を完結できるスキームなどをはじめました。
ハードの面で自分のスマホで入会できる仕組みを入れて、ソフト面も化粧品売り場などでお客様との接点を増やしていこうとしています。
接客せずに、ご入会いただけるお客様も増えています。
JFRカードはどう変化している?ユーザーのニーズと利用実態
――カードを刷新されましたが、ナンバーレス、クイックリードにはどのような意図があるのでしょうか。
河合:現在の大丸松坂屋カードは2021年に大幅リニューアルを行いましたが、今回はJFRカードが発行する各種カードとのデザイン統一を図るため、新デザインに変更しました。
新デザインでは、これまで表面に表示されていたカード番号や有効期限を裏面へ移動し、セキュリティ面でもより安心してご利用いただける仕様となっております。
完全ナンバーレスは考えていませんでした。
アナログの良さもあるので、デジタルに突っ走るのがいいとも思っていません。
顧客層によって、デジタルに寄せる部分、アナログを残す部分のバランスを考えていく必要があります。
カードのリニューアルにより、お客様は最短5分で審査が完了し、「大丸・松坂屋アプリ」の支払いサービスに登録することで、すぐにお買い物などにご利用いただけるようになりました。
この即時発行・即時利用は「大丸・松坂屋アプリ」からのお申込みにより実現しています。
――デジタル強化についてお伺いさせてください。
河合:Apple Payに関しては仕組み上、ハウス取引にならない課題がまだ解決できていません。
今後は、フィジカルとデジタルどちらのタッチ決済も同じ体験ができるように検討していく必要があると考えています。
――タッチ決済の普及状況はいかがですか?
河合:デパ地下などで評価をいただいています。
服飾だと、1万5,000円のハードルがありますが、3割くらいタッチ決済をご利用いただいている状況です。
――メタルカードのニーズに関しての見解をお聞かせください。
河合:他社事例を見ていても決済機能と言うより、カードの券面自体に価値が出る時代です。
エポスカードのキャラクターを見ても、券面はすごく大事だと思います。
当社のカードは、ピンクと青い券面、さくらパンダがありますが、1:1:1の人気です。
――分割やリボルビング払いの促進についてご説明いただけますでしょうか?。また、物価高の影響はどの程度ありますか?
河合:リボよりも、分割の方が百貨店としての親和性が高いです。
お客様は、好きなものにお金を出すというところに、ブレーキがあるようには感じていません。
――日本人のカードを持ちたい意識は高まっていますか?
河合:ライフステージ、ライフイベントに応じて、クレジットカードを選ぶようになると思っています。
こういう世の中になってきて、ハイブランドではなく、好きなブランド、好きなコンテンツを推す中で、利便性も含めて、大丸・松坂屋・パルコで買い物をするのに利点があるというお客様に持っていただいているのではないでしょうか。
JFRカードで貯められるQIRAポイント(キラポイント)の利用状況や課題
――QIRAポイントの利用状況について教えてください。
河合:グループ内のポイントに交換するのが一番多いです(利用明細の閲覧など)。
月1回しかコミュニケーションができませんので、何に変えるのが一番良いのかについての選択肢が、こんなにたくさんあるという認知は浸透してきていると思います。
他社ポイントについては、当社のお客様にとって何がいいのかを考えて、入れ替えています。
非日常の体験のラインアップとしては今後も増やしていきます。
名古屋・松坂屋美術館で開催した草間彌生さんの展覧会を、ポイントで鑑賞できるようにするなどの非日常イベントを組ませていただいています。
カード会員様はグループのファンなので、MD(マーチャンダイジング)の中で、アレンジして、「すごく面白い体験だ」と思ってもらえるように工夫しています。
――QIRAポイントの課題はどのような点にあるとお考えでしょうか?
河合:百貨店のアプリを見ていただくと、大丸松坂屋ポイント、カラット(アプリポイント)、QIRAポイントの3種類あり、お客様に分かりやすくしていくことは課題だと理解しています。
――大丸・松坂屋アプリ支払いサービスは浸透していますか?
河合:コード決済はハウス取引として認識できるので、お客様がカード番号入れたりせずに決済できるようにAPIでつないでいます。
コード決済は浸透してきているかと言われるとそうではないと思いますが、大丸松坂屋の情報、クーポン利用、大丸松坂屋ポイントの付与と合わせてご利用いただいているお客様が増えている認識です。
ユーザーの利便性を追求し続けるJFRカード!担当者が語る今後の見通しと方向性
――ライバルのカードについてどのように捉えているかお聞かせください。
河合:カードとしてみているというよりは、小売として、お客様に提供するサービスのひとつとして意識しています。
それぞれの取り組みに応じて、他社のいいところを学びながら取り入れています。
――セキュリティ面について詳しくお伺いさせてください。
河合:登録した電話番号による電話の認証を入れるなどセキュリティを強化し、即時発行に対応しています。
将来的には公的個人認証サービス(JPKI)などを組み合わせていきたいです。
セキュリティは日進月歩であると思っているので、セキュリティ強化と簡便さを両立させていきたいです。
JFRカードが目指す今後の展望と目標
――グループカードを乗り越えて、汎用カードを目指していく方針でしょうか。
河合:大丸・松坂屋を中心とした消費生活の中で、周辺の利用も大丸・松坂屋のクレジットカードで決済していただいたほうが、お客様にとって最もベネフィットがあるという世界観にしたいです。
“好き”を追求していくのに、他を我慢してやるというより、他で利用したものも、大丸・松坂屋のポイントに変えて、好きなブランドで買い物ができたほうが、お客様に利点があると思っているのでそれを目指しています。
――今後、パルコ、GINZA SIXカードの特典統一を進めていく計画はあるのでしょうか?
河合:社内でもさまざまな意見があります。
当然そうしたほうがいいのではないかという意見と、GINZA SIXカードのファンがPARCOのファンでもあるのかという疑問の声もあります。
分かりやすさでいうと、GINZA SIXのファンには、GINZA SIXとしてコミュニケーションしたほうが良いし、答えが出たわけではないです。
この春にPARCOカードを出す時、それまではクレディセゾンが発行していましたので、お客様から「これはもうPARCOカードではないんでしょ」と言われました。
PARCOという館にロイヤルティを持っている人のことを考えると、汎用カードがお客様にとってベストなのかを考えなければいけないと思っています。
――将来的な目標についてお聞かせいただけますか。
河合:大丸松坂屋カードは、アナログの良さを残しつつ、百貨店カードならではのデジタル化を強化していきます。
数値的な目標はもっていませんが、サービス的にはデジタルで利便性の高いサービスを出していきたいですね。
※掲載中の画像は、JFRカードから紹介しています。




