国内の汎用的なポイントの草分けである「Vポイント」(旧Tポイント)。
従来のTポイントの会員基盤にSMBCグループの顧客基盤が加わり、1億5,000万を超える会員基盤を持った共通ポイントサービスとなっています。
今回は、三井住友カード マーケティング本部 IT戦略本部 プロダクトオーナー 柿﨑貴徳氏、同部 結城丈明氏に、新生Vポイントの強みと競合との差別化、目指す世界について話を伺いました。

三井住友カード マーケティング本部 IT戦略本部 プロダクトオーナー 柿﨑貴徳氏
Vポイントとは三井住友VISAカードを使って貯められる共通ポイント
Vポイントは三井住友VISAカードで決済すると貯められる共通ポイントです。
Vポイントが貯まる代表的なカードは三井住友カード(NL)やOliveフレキシブルペイで、利用者数は増加傾向にあります。
2024年4月にTポイントと統合されて提携先が増え、さらに知名度が高まる結果に。
グループ企業以外との提携にも力を入れていて、Vの名称を冠としたサービスの提供も実施しています。
Vポイントは共通ポイントのため、貯めたポイントをVisa加盟店で利用でき、利用者にとってのメリットも大きいです。
幅広いサービスに共通したポイントを効率的に貯めたい人は、Vポイントを活用しましょう。
Vポイントの知名度や利用者数は増加傾向にある
――三井住友カードで、Vポイントが付与される対象のカードを教えて下さい。
柿﨑:一部の独自ポイントを提供する提携カード等を除き、Vポイントを付与しています。
代表的なものは、三井住友カード(NL)をはじめとするナンバーレスシリーズやOliveです。
――Vポイントを利用しているユーザーは具体的にどれだけいますか?
柿﨑:各社公表数値の抽出条件が異なりますが、2025年3月末時点では1.58億のID数になっています。
アクティブユニークユーザー数(両社単純合算)は8,600万です。
競合各社と比較すると同等または同等以上の数字になります。
旧Tポイントの基盤に加えて、当社のカード会員も増えています。
――Vポイントの認知度はいかがでしょうか?
結城:新Vポイント開始後の調べでは、8割以上がVポイントを認知していただいています。
Tポイントと間違う人は少なく、高いままの認知度を維持できています。
Vポイントは以下のカードを始めとして、三井住友カードが発行する多くのクレジットカードで付与されます。
- ナンバーレスシリーズ
- Oliveフレキシブルペイ
- 三井住友カード カードレス(CL)
ナンバーレスシリーズはセキュリティに配慮して、券面にクレジットカード番号やセキュリティコードを記載していないシリーズです。
Oliveフレキシブルペイは、三井住友銀行のキャッシュカードやデビットカードの機能とクレジットカードが一体化しています。
カードが発行されないカードレスタイプのクレジットカードでも、Vポイントの獲得が可能です。
ほとんどのクレジットカードでVポイントが貯まり、「セキュリティ重視のカードを持ちたい」「三井住友銀行の口座を便利に使いたい」といった希望を叶えられます。
一部の提携カードでは、提携先のポイントが貯まるケースも。
例えばANAと提携しているANAカードではANAマイル、AIRDOカードではAIRDOポイントを貯められます。
特定のポイントを貯めたいときの選択肢も用意されていて、ライフスタイルに合うカードを選びやすいです。
今度も幅広い場所でのサービス提供が期待される
利用者数が多く知名度も高いVポイントは、今後も幅広い場所でのサービス提供が期待されます。
TポイントとVポイントの統合により、2社の会員基盤が合わさった結果、ユーザー数も8,600万と多くなりました。
新Vポイントになってからも8割以上の人に知られており、認知度も高い傾向です。
認知度の高いサービスは多くの人に利用されやすく、今後もより広い場所で利用可能になると予想できます。
利便性や貯めやすさを重視して貯めるポイントを選ぶなら、Vポイントを活用しましょう。
新しくVポイントに生まれ変わってからの成果や効果
――Vポイントは、2024年4月にTポイントと統合し、生まれ変わって誕生しました。新生Vポイント開始後の成果について教えてください。
結城:認知度が高まったことと、ポイントの提携先が拡大していることが成果です。
統合した時点で提携先が店舗数ベースで15万店から16万店に以上増え、営業活動によっても、さらに伸びています。
Oliveの集客力なども期待され、提携先が増えました。
キャッシュレス決済でしかポイントが貯まらなかったところに提携先になっていただくと、お客様はモバイルVカードでバーコードを提示していただくことで、さらにポイントを貯めていただくことができます。
また、SMBCグループ以外の企業とも協業し、Vを付けたサービスを拡大しています。
カナダのオンライン専業旅行会社であるホッパー(Hopper)と提携し、Vポイント会員向けの旅行のポータルサイト「Vトリップ」をリリースしました。
さらに、ふるさと納税ポータルサイト「ふるさとチョイス」を運営するトラストバンクと提携してサービスを展開している「Vふるさと納税」など、提携先を広げることができています。
「Vポイントが貯まる保険」、「Vクーポン」などのサービスも展開し、相乗効果は出ています。
――Vポイント誕生による成果で、実際どれくらいの効果が生まれていますか?
柿﨑:旧Tポイントはバーコードを見せる貯め方が中心でしたが、新Vポイントはキャッシュレス決済でのポイント付与でもポイントが付くため、全体的に発行量が増えています。
ポイントと親和性の高いVを使ったサービスが増えることによって、全体的に拡大しています。
――ポイント還元が増加することで、経営へ影響はないのでしょうか?
柿﨑:当社の場合は、Vを冠にしたサービスが選ばれる、恒常的に使っていただくことで収益を上げていくという考え方です。
――費用対効果といった視点ではいかがですか?
柿﨑:詳細については申し上げられませんが、マイナスにはなっていません。
――独自ポイントの時と比べて、ポイントの使い道に変化はありましたか?
柿﨑:独自ポイントの時は、使い道と言うと、クレジットカードを使って、その請求額にポイントを充てるというケースが多かったです。
直近はVポイントPayアプリにチャージして、Visa加盟店でご利用いただくケースに加えて、バーコード提示で支払うほか、Vポイントを通して、ポイントの金融商品への投資や、それを疑似体験できる「Vポイント運用」など、金融商品系にポイントを使うケースが増えました。

三井住友カード マーケティング本部 IT戦略本部 結城丈明氏
2024年4月にVポイントとTポイントを統合した際は、新生Vポイントを「青と黄色のVポイント」と称して案内を行っていました。
Vポイントの名称はそのままに、Tポイントのロゴのカラーを採用した印象的なロゴが採用されています。

Vポイントでポイントを貯められるタイミングは以下の通りです。
- クレジットカードによる決済
- モバイルVカードの提示
- キャッシュレス決済
クレジットカード決済によるポイント付与と合わせて、アプリでモバイルVカードを提示する方法でもポイントが貯められます。
モバイルVカードに対応しているアプリは幅広く、一例は以下の通りです。
- Vポイントアプリ
- VポイントPayアプリ
- Vpass
- 三井住友銀行アプリ
- PayPay
- LINE
- ウエルシアグループアプリ
- ロッテリア公式アプリ
- ファミペイアプリ
- すかいらーくアプリ など
VポイントアプリやVポイントPayアプリといったSMBCグループのアプリにVカードを登録すると、バーコード提示によってポイントを貯められます。

グループ会社のアプリのみではなく、PayPayやLINE、ファミペイアプリなど幅広いアプリにVポイントカードを登録可能です。
「普段自分が利用しているサービスでVポイントを貯めたい」といった人にも最適。
さらにキャッシュレス決済でもポイント付与が受けられます。
Vポイントが貯まるカードにチャージしてVマネーで決済すると、月間累計利用金額500円につき1ポイントのVマネー決済ポイントも付与されます。
SMBCグループ以外の企業以外との提携も積極的に行い、Vの名称が入ったサービスも充実。
利用する店舗やライフスタイルに縛られず、幅広いサービスで貯められるポイントを利用したい人は、Vポイントを貯めましょう。
三井住友カードが需要の高い共通ポイントを導入するメリット
――カード会社が共通ポイント事業に参入することについて、どのようなメリットがあると思いますか?
柿﨑:ポイントの使い道が限られると、利便性は下がります。
お客様にとってはどこでも使えて、どこでも貯められるという事が1一番のメリットであるはずです。
そういう意味で、SMBCグループ以外のサービスでも、ポイントが使えて、貯めることができることでお客様にとっての価値は向上していきます。
お客様も、サービスをまた使おうということになっていくと思うので、非常に良いサイクルをつくっていける点が大きいと考えています。
――特定の加盟店でポイント還元率が高くなるクレジットカードも増えてきています。競争過多でVポイントが淘汰されるおそれはないでしょうか?
柿﨑:カード会社間の競争は激しくなっていますが、Vポイントは共通ポイントであるということが強みになっています。
特定店舗での高還元ポイントサービスは、カードの日常利用促進でプラスになっていて、当社にとっては良いフックになっています。
また、こういったサービスをきっかけに入会してもらえるケースもあります。
貯めたVポイントは以下の方法で利用でき、汎用性が高いです。
- VポイントPayアプリにチャージ
- バーコード提示
- Vポイント運用
独自ポイントのときはポイントを請求額に充てて利用する方法をメインとしていましたが、統合後はショッピングやポイント運用と幅広い目的に利用できます。
ポイントが貯まる場所もSMBCグループのサービスに限られず、普段自分が利用しているサービスでより多くのポイントを貯めやすいです。
高還元を叶えられる店舗の例
Vポイントは特に以下の店舗で高還元を叶えられます。
| 対象施設 | ポイント還元率 | 店舗の例 |
|---|---|---|
| 対象のコンビニや飲食店 | タッチ決済またはモバイルオーダーで最大7.0%還元 | ・ローソン ・ミニストップ ・セイコーマート ・マクドナルド ・モスバーガー ・ケンタッキーフライドチキン ・サイゼリヤ ・ココス ・ドトールコーヒーショップ など |
| セブン-イレブン | タッチ決済とセブン-イレブンアプリの利用で最大10.0%還元 | ― |
| ユニバーサル・スタジオ・ジャパン | タッチ決済で最大7.0%還元 | ― |
| ポイントUPモール | ネットショッピングの際に経由するとポイントアップ | ・Amazon ・Yahoo!ショッピング ・無印良品ネットストア ・Au Pay マーケット ・タカラトミーモール ・ヤマダモール ・ビックカメラ.com ・JTB ・一番くじONLINE など |
対象のコンビニや飲食店でタッチ決済またはモバイルオーダーを利用すると、最大7.0%還元を受けられます。
セブン-イレブンではセブン-イレブンアプリとの併用で最大10.0%の還元も可能。
ネットショッピングの際はポイントUPモールを経由するだけでポイント還元率がアップします。
「一人暮らしでコンビニや飲食店の利用頻度が高い」「ネットで化粧品や重いものをまとめ買いする」と、ライフスタイルに合わせてカードを活用しやすいです。
日常生活の中で無理なくポイントを貯め、貯まったポイントを自分好みの方法で有効活用したい人は、Vポイントを貯めましょう。
利便性を重視するVポイントの課題と今後の目標
Vポイントは共通ポイントとして利便性を重視しており、モバイルVカードを利用するための各アプリとID連携する仕組みを採用しています。
ID連携が順調に進んでいる一方で、今後の課題として挙げられている点は以下の通りです。
- Visaで使えるメリットをより多くの消費者に伝える必要がある
- サービス統合によって分かれているアプリの統合を検討する
- ランク制度の成果を分析する
Vポイントならではのメリットがより多くの消費者に伝われば利用者が増え、ますますのサービスの発展も見込まれます。
ポイントを統合したために生まれた手間を改善する、ランク制度の成果を分析するといった、新しいサービスに対する対応も予定されていると分かりました。
今後も進化していくポイントサービスを選ぶなら、Vポイントを貯めましょう。
Vポイントに生まれ変わった成果と課題
――Vポイントの開始後に見えてきたことはありますか?
柿﨑:SMBCグループのお客様がモバイルVカードを利用するにはID連携が必要となりますが、これが順調に進んでいます。
ID連携したお客様の方がクレジットカードの利用単価が高い傾向が見えています。
Vポイントへのロイヤリティが高くなっています。
――これまでのポイント事業で見えてきた課題があればお伺いします。
柿﨑:Vポイントの加盟店は増えていますが、より伸び率が高い他社の共通ポイントサービスもあると感じています。
ポイントが貯まる、使えるというVポイントのメリットを消費者にどう伝えていくかが課題です。
キャッシュレス決済の進展でポイントが貯まるメリットは伝わってきていますが、他社より優位性のある「Visaで使える」というメリットを消費者にどう伝えていくかが重要です。
VポイントPayアプリにチャージしていただくとVisa加盟店で使えるなど、メリットを浸透させるために、チャージの手間を改善したり、旧TポイントアプリとVポイントPayアプリの2つに分かれているアプリを統合することも検討しています。
――Vポイントでは、2025年4月からランク制度を開始しています。ランク制度の手ごたえについて教えて下さい。
結城:まだまだリリースしたばかりで、伸びしろは大きいと感じています。
カード利用に繋がっているかは、これから分析していきたいです。
Vポイントを優先して貯めるユーザーが増える世界を目指す
――最後に、今後の目標について教えて下さい。
結城:加盟店を増やすため、CCCMK社と一体となって営業目標を立てて推進しています。
「どのポイントを貯めますか?」という問いに「Vで」と答えて頂ける世界観をつくることが最終的な目標です。
柿﨑:共通ポイントの加盟店は、単独のポイント加盟店は多くなく、複数の共通ポイントを入れているケースが増えています。
その中で、Vポイントを選んでいただけるように、さまざまな形で魅力を高めていきたいです。
具体的には、Visa加盟店等さまざまな場所で使えるとか、貯めておくことが得になるようなサービス拡充を進めていく、ということです。
消費者向けの施策をより拡充し、ランク制をさらに貯まりやすくしたり、Vトリップのような提携先とのサービスを広げていくことが重要になります。
Vクーポンについては、他社サービスのほうが便利なものも多いという認識はあります。
今後、改善を進め、レベルアップさせていきたいです。
VポイントはVisa加盟店をはじめとして、幅広い店舗で利用できる点が強みの共通ポイントです。
SMBCグループ内にとどまらず、グループ外企業との協業で、ますます利便性の高いポイントになっています。
すでに認知度が高く利用者の多いポイントながら、現状に満足せずランク制度の導入といった新たなサービスも実施。
アプリの統合やVクーポンの改善など、さらに利便性の高いサービスを目指すための対策も順次行っていく予定です。
利用者の立場に立った魅力的なサービスを提供してくれるポイントが貯めたい人は、Vポイントを選びましょう。




