中国銀聯のネットワークが180の国と地域に拡大(世界の決済シーン)

2021年8月26日8:00

中国銀聯のモバイル財布アプリ“クラウドクイックパス”(Cloud Quick Pass) 

グローバルペイメントの動向に詳しい、和田文明氏による世界の決済シーンを紹介する本コーナー。今回は国際ブランドとして拡大する中国銀聯について紹介してもらった。

和田文明

中国銀聯の拡大は続いている。2021年4月に、UPI(Union Pay International、中国銀聯国際)は、スイスに本社を置くCIM Bank(本社:スイス、ジュネーブ、設立:1990年)とタイアップし、銀聯クレジットカードをスイスで発行すると発表した。CIM Bank 銀聯クレジットカードは、地元の資産を多く有している個人が日常生活や海外出張での支払いニーズを満たすように設計されている。現在、銀聯カードは、スイスの全てのATMとスイスのカード加盟店(マーチャント)の80%近くで受け入れられ、ルツェルン、ジュネーブ、チューリッヒなどのスイスの主だった都市を中心に広がっている。

銀聯カードを統括する中国銀聯(China Union Pay)は、2002年3月に中国の中央銀行である中国人民銀行が主導して、上海(写真)に設立している。(図表1)は、中国銀聯が設立された当初の中国五大銀行の一つである中国農業銀行の2004年頃の銀聯カード(デビットカード)である。銀聯カードは、それぞれの銀行の預金口座とリンクし、ATMから預金を引き出すキャッシュカード機能がメインで、大きく分けてキャッシュカード+銀聯バンクPOSデビットカードとキャッシュカード+銀聯クレジットカードの二つのタイプがある。この他に、オープンループのオンラインプリペイドカードも発行されている。

(写真)中国銀聯の本社がある中国・上海
(図表1)中国五大銀行の一つである中国農業銀行の銀聯カード(デビットカード)

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