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(3)ヨーロッパのA2Aペイメント(口座間決済)後編 主要なA2Aペイメントスキーム

2024年10月1日8:00

A2Aペイメント(Account to Account Payment、口座間決済)の3回目は、A2Aペイメント(口座間決済)サービスが急速に拡大するヨーロッパの現状と、いくつかのA2Aペイメントのスキームプロバイダーを紹介してみたい。今回は後編となり、A2Aペイメントスキームの概要を紹介する。

和田文明

■連載
(1)A2Aペイメント(口座間決済)スキームとは
(2)A2Aペイメント(口座間決済)サービスのスキームとテクノロジープロバイダー
(3)ヨーロッパのA2Aペイメント(口座間決済) 前編後編
(4)プッシュペイメント(Push Payments)とプルペイメント(Pull Payments)Pull Payments

  • iDEAL(ベネルクス3カ国のオランダ)

A2AペイメントがE-コマース、M-コマースの決済方法別の決済額で75%と高いシェアを有するオランダのA2AペイメントスキームのiDEALは、オランダのすべての銀行が参加する銀行振込システムで、基本的にはiDEALの決済を提供しなければ、オランダではオンライン小売業者としてビジネスを行うに際しては不可欠なペイメントスキームである。

iDEALは創業2005年来、すべてのオランダの銀行のオンラインバンキングシステムを一本化して運用されてきた。EPI(European Payments Initiative)によるiDealの買収が完了し、iDealはオランダのiDealからヨーロッパのiDealへと発展し、ヨーロッパにおける新しい電子財布の基盤となっていくものと予想されている。2025年からiDealから新たなWeroへと変更が予定されており、Weroの導入により、Weroは銀行のアプリを通じて利用できるほか、AndroidとiOS用の単独のWeroアプリも提供される予定で、2025年までに、iDealは段階的に廃止されていく予定。

EPI(European Payments Initiative)(本社:ベルギー、ブリュッセル、設立:2020年)は、ヨーロッパのデジタルアジェンダを強化し、統一されたヨーロッパマーケットの成長を促進することを目指してヨーロッパの16の銀行と金融サービスプロバイダーによって設立した統一デジタルペイメントサービスソリューションである。EPIは既存の国際ペイメントネットワークから独立し、ヨーロッパ内で完結する新しいペイメントエコシステムを構築することを目指している。EPIにはWeroという電子財布ソリューションがあり、ユーザーが複数の銀行口座を容易に管理し、透明性とコントロール性を有する。また、EPIはリアルタイムのA2Aペイメント(口座間決済)のインフラを活用し、マーチャント(加盟店)のPOS決済のほか、E-コマースのオンライン決済、P2P(個人間決済)、現金引出しなどの機能を統合する予定といわれている。

Payconic(ベネルクス3カ国のベルギー)

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