2023年9月29日16:00
NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は、同社が提供する「COTOHA Voice Insight ビジネス通話プラン」が、阿波銀行において、2023年10月より運用が開始される金融商品の電話約定業務に採用されたと発表した。
金融商品の電話約定は、訪問や書類作成の時間が削減できるものの、録音された音声を確認するモニタリング業務が必要で、その省力化が課題となっていた。同サービスの導入により、通話内容をテキスト化することで、モニタリング業務を省力化できるほか、コンプライアンスチェックの負担軽減につながることから、阿波銀行は同サービスを活用し、電話約定の運用を開始することとなった。
証券業界では電話約定は行われているが、銀行業界では「紙の文化」が根強く残り、営業担当者が対面で商品について説明したうえで、書面で約定することが多いことから、業務の効率化が求められている。ただ、一部の複雑な金融商品では営業担当者が直接説明する必要があることや、利用者が高齢の場合、パソコン操作が難しいことなどから、オンラインで完結させることも難しい状況だった。こうした背景から、今回、阿波銀行は一部の金融商品における販売手続きにあたり、対面による書面約定だけでなく、電話約定の運用を始めることにした。
阿波銀行の営業担当者約300人が持つモバイル端末の通話録音・文字起こしとコンプライアンスチェックのために同サービスを導入する。電話約定を取り入れるにあたってはコンプライアンスチェックのために、通話内容の音声ファイルを再生して確認する必要がある。同サービスを導入することにより、通話内容をテキスト化しコンプライアンスチェック機能(ワード検索機能)を使用することで、モニタリングの質を担保しつつ、事務の効率化が図れる。また、運用開始後は電話で説明し約定できるようになり、利用者にとっては従来書面で行っていた手続きが簡素化でき負担軽減につながる。さらに、クラウド上に録音した音声やデータを証跡(証拠となるような痕跡)として残すことが可能になることから、通話録音から保存まで、通話記録を一元的に管理することができる。
NTTドコモの「通話録音サービス」を連携し、通話音声ファイルを本サービスによりクラウド上に保存する。Arcstar Universal OneおよびFlexible InterConnectといった閉域網・接続基盤を用い、阿波銀行の監査担当者との間のテキストファイル(文字起こし)のダウンロードやコンプライアンスチェック(ワード検索)を提供する。なお、利用者は、固定電話、携帯電話などの端末の種類および通信キャリアを問わず、利用可能だ。