2024年5月1日16:10
東芝データは、このほど、東芝グループの電子レシートサービス「スマートレシート」から得られる購買ビッグデータを用いて、ミツカングループのZENB JAPANと共同でグルテンフリー食品の市場を分析した。AI技術を活用して分析した結果、現状の市場における消費者の購買特性と、潜在的なグルテンフリー食品市場のつながりを、データドリブンで明らかにすることができたという。
「ZENB」は、新しい食生活を提案するD2Cブランドだが、生活者起点・顧客起点で、ウェルビーイングな市場を創造していくビジョンを推進しており、その1つの軸としてグルテンフリーに着目していた。今後さらにグルテンフリー食品の市場規模を拡大させていくためには、その潜在市場を把握することが重要になるため、実際の購買ビッグデータを用いて市場分析をしている東芝データと共同で、グルテンフリー食品の潜在市場を分析した。
東芝データでは、実際の購買ビッグデータに基づく価値ある市場分析を提供するために、クラスタリングや自然言語処理など最新のAI技術を活用する「レシート・インフォマティクス技術」の研究開発を推進している。
グルテンフリー食品の市場分析には、東芝 研究開発センターが製造やデータ分析の分野で培ってきた独自のクラスタリング技術を、「スマートレシート」で得られる購買ビッグデータ向けにアレンジし適用した。クラスタリングAIは、実際の購買ビッグデータから、消費者の購買パターン(購買特性)が共通する商品を同じ商品グループ(クラスター)に自動で分類する技術です。クラスタリングAIを活用することで、隠れた購買トレンドの発見や気付きを得ることが可能となる。
クラスタリングAIを活用することで、「スマートレシート」の購買ビッグデータから、健康志向の高い購買特性を抽出し、その購買特性と各食品の関係性の強さに基づいて食品を分類し、グルテンフリー食品の購買特性と似た食品が集まったクラスターを自動で抽出することに成功したそうだ。その結果、グルテンフリー食品の購買特性は「糖質オフ」「タンパク質摂取オン」「食物繊維摂取オン」であることが分かり、これまでZENBの意識調査で見えていた健康ニーズの傾向をデータで裏付けることができたとしている。さらに、グルテンフリー食品と共通する購買特性を持つ食品も明らかにした。
東芝データは、今回抽出した3つの購買特性と、これらの購買特性が共通する類似食品のデータを基に、グルテンフリー食品の潜在的な市場規模の予測などへ発展させていくほか、同クラスタリングAIをさまざまなユースケースに展開していくそうだ。