2024年7月25日12:10
東海東京フィナンシャル・ホールディングスはこのほど、UniCaskと、ウイスキー樽の所有権を小口化した NFT を UniCask が提供するプラットフォームで販売するための実証実験を実施すると発表した。
同社は、デジタライゼーション、FinTech 技術、金融分野への異業種参入など、事業環境の変化に合わせて持続的な成長を維持していくためにデジタル化が重要課題であると認識し、顧客ニーズに対応した商品・サービスの拡充に積極的に取り組んでいるという。その中で、Web3.0 におけるビジネス機会のさらなる拡大を見据え、ブロックチェーンを基盤として作成された代替不可能なデジタルデータである NFT(Non-Fungible Token)の可能性にも期待しており、デジタル上だけでなくリアル空間でも楽しむことができる「リアルアセットに紐づいたNFT」に特に注目している。コロナ禍が収束しモノ消費からコト消費へのシフトが続いている中、さまざまな「体験」を NFT 化することで新たな価値を提供し、発行者と購入者、または購入者同士のつながりを長期的に築くことができる仕組みを構築できると考えているそうだ。
同社と UniCask は、NFT 発行時のオペレーション、スキーム、コスト等の検証に加え、異なる投資家層を対象としたプロモーションの効果検証等を行う。NFT を通じて地場企業や地域の課題を解決すると共に、これまで取り扱ってきた金融商品以外の価値を顧客に提供することで、新たなサービスの展開を目指すそうだ。
具体的に、同社と UniCask は、羽生蒸溜所にて 2023 年に蒸留されたシングルモルトウイスキー樽の所有権を小口化し、NFT として販売する実証実験を行う。ウイスキーは時間と共に熟成し価値が上がっていくが、樽を購入することは高額となるため、投資家からは小口化のニーズが高いこと、また、蒸留所としては早期に収益化できるメリットがあることから NFT と親和性が高い実物資産の1つであると考えている。なお、今回販売する NFT では、羽生蒸溜所が 2033 年に瓶詰めする予定のウイスキーを受け取れる権利が付与される。NFT 購入者限定のコミュニティも用意されているため、購入者同士の交流の場や、発行者と購入者が長期的かつ密に繋がり顧客意見を確認する場として活用していく。
なお、実証実験では同社グループ会社への広告配信、出資先企業の SNS でのプロモーション等を実施し、効果を検証する。
この記事の著者
Finance News Navi編集部
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