社内サービスデスク業務のAIオペレーター対応開始、声紋認証での本人確認も(SBI生命)

2024年1月18日19:57

SBI生命保険(SBI生命)は、2024年1月18日、情報システム部の社内サービスデスク業務の一部を、AIオペレーターが対応するアプリケーションを開発し、運用を開始したと発表した。

これまで、SBI生命の社内サービスデスクでは、社内システムの問い合わせを有人対応で行ってきたが、社業の拡大に伴う問合せ内容の複雑化や入電数の増加により、従来の有人対応では、スピーディな社内サービスを提供することが難しくなっていたそうだ。

このほど、SBI生命では、生成AIを活用した業務効率化や顧客サービスの向上に取り組むなかで得た知見を活かして新たなアプリケーションを開発し、社内サービスデスク業務の一部を、これまでの有人対応からAI オペレーターによる運用にシフトしたという。

今回の対応により、一例として、アカウントロック解除に関する入電対応時には、Amazon Connect Voice IDによる声紋認証での本人確認から、アカウントロック解除、管理者向けの作業完了通知、監査上必要となるチケット起票までの一連のプロセスが完全に自動化された。またアプリケーションの開発にあたり、さまざまな工夫や機能の実装を行っているそうだ。

例えば、GPT-4のFunction calling機能を利用し、声紋登録、アカウントロック解除、FAQ回答といった異なる業務機能の適切な理解と振り分けを行っている。また、サービスデスクのFAQに対する回答・応答においては、Amazon LexとGPT-4のFunction calling機能を組み合わせることで、生成AI特有のハルシネーションを制御している。さらに、テキストをリアルな音声に変換するAmazon Pollyによる回答を、自然で理解しやすい形に整えるためにAmazon Bedrock上でClaudeを活用し、ユーザーにとって分かりやすく正確なサービス提供を可能としていたそうだ。

社内サービスデスクのAIオペレーターシステム (例:Windowsアカウントロック解除)

SBI生命では今後、社内サービスデスクにおけるAIオペレーターの対応業務の範囲を、順次拡大する予定だという。また社内サービスデスク業務に加え、顧客対応を行うコールセンターの業務についても、順次、AIオペレーターへシフトし、顧客サービスの向上や社内の業務効率化を図るほか、災害等でオペレーターが事業所に到着できない時、AIオペレーターが即座に応答できるような事業継続計画(BCP)の体制整備を強化していくとした。

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financenews

Finance News Navi編集部

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