2024年10月17日15:04
静岡銀行、静銀 IT ソリューション、日立製作所(日立)は、このほど、静岡銀行のオープン勘定系システムの機能追加開発における生成 AI 適用の実用化に向けた技術検証を開始した。
静岡銀行と日立が共同開発し、2021 年に稼働したオープン勘定系システムは、アプリケーション構造の全面刷新とオープン化による先進技術を取り入れたことにより、35%の開発生産性向上や、機能拡張が容易なシステム基盤の構築を実現しているそうだ。
今回の技術検証では、静岡銀行の先進的なオープン勘定系システムと、日立の生成 AI に関する知見・ノウハウを融合し、システム開発への生成 AI 適用による、さらなる生産性向上と高品質・高信頼性を目指す。
近年、金融業界では、急速な経営環境の変化に対応するため、デジタル技術活用やデータ利活用など、DX の取り組みが加速しており、金融機関のシステムにおいては、人財の確保、開発プロセスの効率化、各種規定やガイドラインの遵守、および迅速な対応が求められている。
静岡銀行と日立では、従来からこれらの対応を進めており、今回の生成 AI の適用が実現することで、金融機関の根幹を支えるミッションクリティカルなシステム開発において、さらなる効率性や信頼性の向上などが期待されるという。
今回の技術検証では、静岡銀行と日立が共同開発した、オープン基盤上で稼働する勘定系システムの機能追加開発に生成 AI を適用する。まずは、設計、製造、各種テストなどの開発プロセスのうち、製造・単体テスト工程における検証から開始する。具体的には、詳細設計書を元に、生成 AI によってソースコードやテストケースを自動生成し、日立のエンジニアが生成したソースコードやテストケースとの差異を検証する。
さらに、システム開発に関する業務知識やプロジェクト情報などを活用する知識データベースを構築することで、生成 AI 適用範囲の拡大につなげるという。
静岡銀行、静銀 IT ソリューション、日立は、今後、上流工程である要件定義や影響調査を含めた全工程へ生成 AI を適用し、知識データベースもさらに高度化させることで、より高品質で安定したサービスを迅速に提供することを目指す。また、今回技術検証を実施するオープン勘定系システムのほか、静岡銀行のシステム全体への生成 AI 適用を検討する。さらに、日立は、同取り組みを「OpenStage」をはじめとしたオープン勘定系システムなどへ適用することを目指し、その他金融機関へ横展開することで、金融機関におけるシステム開発のモダナイゼーション推進を支援するそうだ。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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