2024年11月7日9:00
楽天は、自動配送ロボットによる小売店や飲食店の商品配送サービス「楽天無人配送」を、東京都中央区晴海全域、月島と勝どきの一部において、2024年11月6日から提供開始した。自動配送ロボットによる配送サービスを都内で提供することは楽天として初の取り組みだという。なお、自動配送ロボットは人が随行せずに自動走行および遠隔操作で運行する。
利用者はスマートフォン向けの専用サイトから注文することで、自動配送ロボットが配送する「スターバックス コーヒー 晴海 トリトンスクエア店」「スーパーマーケット文化堂 月島店」「吉野家 晴海 トリトンスクエア店」の合計3店舗の商品を、指定した届け場所で受け取ることができる。温かい料理や冷たい飲み物、生鮮・冷凍食品、日用品など5,300品以上の商品を取り揃えており、忙しい日の食事、日常の食材や生活必需品の購入、急な日用品の調達など、さまざまな場面で暮らしをサポートするそうだ。また、届け場所は晴海周辺のマンションやオフィス、公園などの62カ所となり、在宅時に加えて仕事の合間、外出時などでも利用可能だ。
同サービスは年末年始などの一部を除き、夜間や雨天時を含め毎日提供する。届け時間は最短30分から最長6日先までの10時~21時のうち15分ごとの枠から指定でき、配送中の自動配送ロボットの現在地や到着予定時刻も専用サイトで確認可能なため、商品を受け取るために長時間待機する必要はないそうだ。到着時は、自動音声電話とSMSにより通知される暗証番号を機体の操作パネルに入力することで、商品を受け取れる。
同サービスで使用する機体はCartken Inc.が開発し、三菱電機のグループ会社であるメルコモビリティーソリューションズが同サービス向けに調整したものとなる。また、機体は高度なAIモデルやアルゴリズムを活用した自動走行機能や衝突回避機能を備えており、一般社団法人ロボットデリバリー協会の安全基準に基づく審査にも合格している。同サービスでは自動走行および遠隔監視・操作のもと、最高速度5.4km/hで走行する。楽天も独自にロボット配送の専用サイトや配送管理システムを開発・構築しており、複数台同時運行のロボット配送におけるオペレーションを最適化するという。
これまで楽天は、2024年問題をはじめとした配送・物流の人手不足の中においても、インターネットショッピングなどの利用を拡大し、自動配送ロボットによる無人配送の事業化に取り組んでいる。さまざまな実証実験に加えて、2021年3月に国内で初めて自動配送ロボットの公道走行によるスーパーマーケットからの配送サービスの実施や、期間を限定しない定常サービスをつくば駅周辺にて2022年11月から展開し、ノウハウを蓄積してきた。なお、今回の取り組みは経済産業省の令和5年度補正予算「物流効率化に向けた先進的な実証事業」における「自動配送ロボット導入促進実証事業」による補助を受けて実施している。