食品ID-POS購買行動データベースで食品スーパーのきのこの購入変化を分析(YOMIKO)

2024年12月10日6:55

読売広告社(YOMIKO)は、同社の子会社であるショッパーインサイトが保有する食品購買状況を買物客単位で分析可能な食品ID-POS購買行動データベース「real shopper SM」を活用し、食品スーパーのきのこの購入変化を分析した。

2023年10月~2024年10月のきのこ(生椎茸、しめじ、えのきだけ、 エリンギ、舞茸、松茸、マッシュルーム 、なめこ、生きくらげ、その他きのこも含む)の金額PI値(レジを通過したお客様1,000人あたりの販売金額指数)を見ると、金額PI値は秋から冬の時期に伸びている。しかし、前年同月比をみると2024年の春や夏の時期に伸びていることがわかった。

2024年春夏のきのこの金額PI値は前年同月比を上回る(YOMIKO)

通年で流通しているイメージが強いきのこだが、2024年の春や夏の時期に金額PI値の前年同月比が伸びた背景を探るために、きのこ(えのきだけ、しめじ、なめこ)と生鮮野菜(さやいんげん、ほうれんそう、トマト)の卸売価格(市場で取引されるkgあたり円)を比較した。その結果、生鮮野菜は価格の変動が大きく、特に今年の春や夏時期に価格の高騰がみられる。一方、きのこは年間を通して横ばいで推移しており安定した価格を保っているという。このことから、きのこは価格が変わりにくく物価の優等生であることがわかり、生活防衛意識が高まる中で、春や夏にもきのこの需要が高まったとしている。

次に2024年9月~10月の期間中の来店者1人あたりのきのこの購入金額から、きのこの種類ごとの購入者の年代分布を分析した。その結果、年代によって購入するきのこの種類に違いがあることがわかり、分布図の形から3つのグループに分けて捉えることができたそうだ。

1つは、年代が上がるにつれて購入金額が高くなり、特に70代-80代の高齢層の購入額が高い「生椎茸」「舞茸」「松茸」。香りなど風味が豊かで彩りも楽しめるきのこだ。そして、30代-40代の購入額が高い「えのきだけ」「エリンギ」「マッシュルーム」。食感が特徴的で洋風料理との相性がよくモダンな印象もあるきのことなる。3つ目は、ややM字型で比較的全年代均等に分布している「しめじ」「なめこ」。汁物の出汁との相性もよいきのこだ。このように、きのこは購入層の分布により、”香り彩り”・”食感が特徴的でモダン”・”出汁と好相性”といったグループに分けられることがわかったという。

さらに、きのこの中でも購入金額TOP2の「しめじ」「えのきだけ」のデータから、それぞれの種類や時期(2024年7月-8月/2024年9月-10月)による併買商品の違いを分析した。「しめじ」「えのきだけ」共に併買商品上位に他のきのこ類が上位にあることから、併買傾向として複数のきのこを購入している傾向がみられる。「しめじ」は、他のきのこ類だけでなく、「人参」「ごぼう」「ピーマン」「南瓜」などの野菜のリフト値も高くなっており、「しめじ」は鍋の具材だけでなく、洋風・中華風の料理など広いバリエーションの料理に使われていることが考えられる。9月-10月は「鍋つゆ」や「シチュールー」など季節性の高い料理との相性が良いこともわかった。

また「えのきだけ」は、時期に関係なく「白菜」「鍋つゆ」や「豚肉」の併買リフト値が高い傾向がある。9月-10月は「すりみ・だんご半総菜」が上位にあがっており、鍋関連の食材との結びつきが強く、「えのきだけ」は鍋の具材としての定番性が高いことがわかる。

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ペイメントナビ編集部

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