2012年7月1日9:00
ドイツではいま、共産主義への郷愁を抱いている人が増えているのかもしれない。
ドイツのシュパーカッセ・ケムニッツ(SparKasse)銀行は、クレジットカードの券面にカール・マルクスの彫像をデザインし、話題を呼んでいる。マルクスといえば共産主義の提唱者だ。
なぜいまマルクスなのか。シュパーカッセ銀行はクレジットカードを発行するにあたり、10種類の券面を準備した。オンラインで投票してもらった結果、投票者の3分の1以上がマルクスを選んだのである。
ベルリンの壁がなくなるまで、ケムニッツはカールマルクスシュタットという名前だった。共産主義時代はモデル都市として活気があったが、東西ドイツ統合後は人口が20%まで減少している。
ケムニッツの人たちは、古き良き共産主義時代への郷愁にかられてマルクスを選んだのだろう。2008年の調査によると、東ドイツ人で自由経済は安定していないと回答した人は52%、社会主義への復帰を願っている人は43%もいた。
■「カードBizと僕の勝手気ままログ」のリアルタイム更新はこちら
※本記事は日本カードビジネス研究会代表 佐藤元則氏の「カードBizと僕の勝手気ままログ」をご紹介しています。