保険業界の従業員の生産性向上に向けてAI活用で協業(NTTデータ/日本IBM)

2023年12月12日11:50

NTTデータと日本アイ・ビー・エム(日本IBM)は、2023年12月、保険業界における従業員の生産性向上をAI活用によって実現するための協業に合意しました。両社は、従業員の意図を理解して代わりに業務を実行してくれる同僚のような仮想知的デジタル・ワーカー「デジタル従業員」の共同開発、戦略的販売モデルの提供および共同マーケティング活動などを通じて、新しいデジタルアセットベース・ビジネスの共創を進め、デジタル変革を推進していく。

同取り組みでは、従業員の意図を理解して代わりに業務を実行してくれる同僚のような仮想知的労働者として、保険の営業職員向けのデジタル従業員ソリューションを展開していくそうだ。

デジタル従業員は、IBMのAIソリューションであるIBM watsonx Orchestrateを含む基盤モデルおよび最新のAI技術を活用し、従業員と会話しながら、業務の目的に応じてさまざまなツールから最適なものを選択し、従業員の代わりに業務を自動的に実行する。

デジタル従業員のコンセプトとして、AIを活用したデジタル従業員により、従業員の意図を理解した作業支援、複数システムに関連する一連の作業の自動化を行う。同コンセプトを実現するために、IBM watsonx Orchestrate、基盤モデルを中核技術に用いて、複数のソリューションを組み合わせつつ、独自AIモデルを提供することで実現する計画だ。

具体的に目指しているデジタル従業員の機能として、標準的な保険商品や事務手続きに加え、個社に特化した情報も人に代わって機械学習できるという。営業プロセスをモデル化した上でサジェストし、ユーザーの行動変容を促すことができるそうだ。短期記憶により直前の指示を踏まえて、ユーザーの性格など個人の特性にあわせたサジェスチョンができるそうだ。

AIを活用したデジタル従業員により、従業員の意図を理解した作業支援、複数システムに関連する一連の作業の自動化(NTTデータ/日本IBM)

NTTデータは、保険業界における経験・専門知識やリソースを活用し、従業員の生産性向上を実現させる革新的なソリューションを創出していく。また、保険会社への提案や導入コンサルティング、システムインテグレーションを提供する。

日本IBMは、同ソリューション開発と競合優位性強化に向けて、企業向けAIとデータのプラットフォームであるIBM watosonxをはじめとするAI製品に関し、グローバルの開発部門や製品管理部門を含めた技術支援を行う。また、戦略的な販売スキームやマーケティング機会の提供、および保険業界向けナレッジの共有や製品導入に関するスキルトランスファーを行うそうだ。

両社は今後、ソリューション開発を進め、2023年度中に保険会社での試験導入を計画している。2024年度以降に日本の生損保会社への実導入を目指し、保険業界におけるレファレンスケースの確立を目標としている。

また、さらなるサービスの付加価値向上や多様な分野への展開に向けて協議を継続し、日本の従業員の生産性向上や働き方改革の推進に貢献していくそうだ。

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financenews

Finance News Navi編集部

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