2024年1月12日18:00
大黒屋は、同社の強みである機械学習・AI技術を基盤として、今年度をめどにオンライン上のやり取りで完結する真贋鑑定・査定機能をチャット上で提供すると発表した。蓄積されてきた50万点以上の商品学習データを活用し、画像認識AIと連携することで、チャットで画像を送るだけで、AI鑑定士が数秒で即時査定し、利用者に知らせする機能を実現したそうだ。
大黒屋では、買取・販売取引ニーズの拡大に対応し、家庭内に眠っている中古ブランド品資産の有効活用及びその促進を目指している。その前提には、生活者がいつ・どこでも、自分の持ち物や売り物などの二次流通価格を把握できることが必要だという。
同社では、今まで専門的なスキルを持っている人のみに限られていた資産価値の把握技術を、より生活者の方が身近に使えるようなさまざまな機能やサービスを開発しているという。現在同社では、最新AIを活用した資産価値の把握技術を開発し、画像認識・査定AIを活用した写真査定を実現したことで、チャットで写真を送るだけで、数秒で査定結果を表示することが可能となったそうだ。
大黒屋は、生活者が自らの持ち物の価値をいつでも把握できる世界を実現し、その資産価値の売買、運用、下取り、信用取引などさまざまなサービスを提供していくそうだ。
なお、大黒屋では、約8年前からAI鑑定・査定及びグローバルダイナミックプライシングの確立に着手していた。グローバル規模での買収や業務提携を通じて、日本・米国・欧州・中国を中心にブランド品のデータ収集を進め、AI技術に最も重要な教師データの構築、訓練、最適化、及び実際応用にチャレンジしてきたという。これらの研究開発の成果として、同社では世界のトッププレイヤーに匹敵できるAI鑑定・査定及びグローバルダイナミックプライシングの技術を確立したとしている。
今回のAI写真査定を実現するにあたり、画像認識技術は入力された商品画像データをもとに、ブランド・商品カテゴリーを特定するという。最新のComputer Visionライブラリと、同社が長年に亘り培ってきたブランド品データを組み合わせ、高い精度での特定を実現しているそうだ。
また、ダイナミックプライシングは、入力された商品データをもとに、最新の市場価格を提示する。同社がグローバル規模で管理している在庫情報・商品データベースを活用し、参照する商品価格データは常に最新にアップデートされる。機械学習により、ブレを含む商品データから、傾向をつかみ、商品の特定や最適な査定を実現したという。
自然言語処理では、チャット上で自由に入力される文章を解析し、鑑定や査定に活用できるデータに成形した上でシステムに取り込む。また、査定結果の提示や、買取契約の締結なども、利用者との自然な応答の中で自動的に行うとしている。
なお、大黒屋は1947年4月に千葉県下で大黒屋質店として創業、質屋業を開始した。その後、業容の拡大により1953年1月に株式会社として設立。その事業の中心は宝石・貴金属、時計、ブランド品バッグなどの販売・買取及び質預りを行っている会社だ。現在は東京都港区に本社を置き、関東・中部・関西・九州で24店舗を展開している。