2024年1月23日20:54
IBMは、2024年1月11日、消費財・小売業界の企業向けのサプライチェーン、財務業務、販売やサービスの強化を支援する、生成AIを活用したソリューション開発においてSAPと協業することを発表した。
IBMとSAPは、テクノロジーに関する専門知識を共有しており、ビジネスに特化したAIとデータのプラットフォームである、IBM watsonxとAIアシスタント製品のSAPソリューションへの組み込みを完了した。IBM Consultingは、SAPとの協業のもと、店舗直送のビジネス・プロセスや商品ポートフォリオ管理の複雑性に対処することに重点を置いた、生成AIおよび従来型AIを活用した新しいソリューションを開発する。すでにIBM ConsultingとSAPは世界中の消費財業界の顧客と協力し、SAP Direct Distributionソリューションと統合可能な安全でスケーラブルなAIソリューションを構築するための詳細な要件を収集しているそうだ。
開発予定のソリューションは、消費財企業、卸売業者、小売業者が店舗レベルの品揃えをより効率的に管理し、商品流通を改善し、収益増加の促進することを目的にしている。
IBMは、SAP Direct Distributionソリューションに天候、交通、地域イベントなどの外部データを送り、AIを適用して消費財企業が最適な店舗配送ルートを特定し、コストやカーボンフットプリント削減の支援を計画している。情報はリアルタイムで更新され、その情報をもとにドライバーは地域の状況に応じて配送ルートを臨機応変に変更できる。
また、 IBMは、各店舗の市場動向、過去の販売パターン、需要予測や現在の商品構成に基づいて店舗レベルで品揃えができるように、AIおよび生成AIの適用を計画している。同ソリューションは、具体的なお薦め商品の提案ができるようにすることを目指しており、売上最大化と商品廃棄最小化に向け、店舗の品揃えに十分な商品を追加するための事前計画なども含まれるという。
さらに、 店舗への直接配送は複雑であるため、しばしば取引の自動決済が妨げられることがある。IBMはSAPと協業し、自動化とインテリジェント・ワークフローを使用して業務効率を向上し、SAP Direct Distributionのラスト・ワン・マイル配送コンポーネントのAIに基づいて決済精度の向上を支援するソリューションを開発するそうだ。