リアルとデジタルを融合した新サービス提供へ(三井不動産)

2024年4月24日13:41

三井不動産は、統合コマースプラットフォーム「ecforce」を提供するSUPER STUDIOとともに、ECブランドの成長を“商業”と“物流”の両面から支援するプラットフォームを提供開始した。

三井不動産は「SUPER STUDIO」と共に、2022年6月より、顧客にオンラインとオフラインの垣根を意識させず、モノやサービスの購入・体験を提供するマーケティング施策「OMOソリューション」の提供を始めている。2023年7月には、ECブランドが週単位で出店する次世代型ショップ「THE [ ] STORE」として、三井不動産が運営する商業施設「RAYARD MIYASHITA PARK」(東京都渋谷区)にて、「SUPER STUDIO」の統合コマースプラットフォーム「ecforce」を活用し、EC同様の顧客データ取得と継続的なマーケティングを実現するリアル店舗を初出店している。

「ECブランドの成長を支援するプラットフォーム」概念図(三井不動産)

また、EC・リテール領域のさらなる事業推進のため、2024年4月に新設されたイノベーション推進本部ベンチャー共創事業部が手掛ける31VENUTRESでは、2023年10月にポップアップストアの出店支援プラットフォームを提供するカウンターワークスへの出資を実行している。2024年2月には、提携した倉庫会社に対して、独自開発した倉庫管理システムや標準化されたオペレーションを提供することで、全国の倉庫をネットワーク化した物流プラットフォームを構築し、従量課金で利用可能なフルフィルメントサービスを展開している株式会社オープンロジ(以下「オープンロジ」)への出資を実行した。

一方、ロジスティクス本部では、2012年4月に物流施設開発の取り組みを開始し、現在では「三井不動産ロジスティクスパーク(MFLP)」を旗艦ブランドとして、「MFLP船橋Ⅲ」や「MFLP座間」など、国内外に開発・運営施設66物件を展開している。特にMFLP船橋Ⅲにおいては、2階にエクシーク、4階にはロジスティードが入居しており、EC事業者向けに物流ワンストップサービスを提供し、三井不動産としてECブランドの物流を支援していく場が整っている。

今回、「31VENUTRES」の出資先である「SUPER STUDIO」「カウンターワークス」「オープンロジ」、共創パートナーである「エクシーク」「ロジスティード」のサービスに、三井不動産のリアルアセットの強みを組み合わせることで、ECブランドの成長を商業と物流の両面から支援するプラットフォームを提供する。

メーカーが消費者に商品を直接販売するD2C市場は2025年に3兆円を超えると予想され、オンライン販売だけに特化したデジタルネイティブなブランドも急増している。ECブランド立ち上げ直後は、ECサイト構築に特化したプラットフォームを使い、物流は自社で行う企業が大半を占める。しかし、ブランドが成長して軌道に乗り始めた後にさらなる成長を実現するためには、データに基づいたマーケティングを実行する基盤とノウハウや顧客拡大のためのリアルの場の活用、大規模な物流ソリューションが必要になるそうだ。

この記事の著者

New Retail Navi編集委員

※流通・コマース関係の情報を中心に記事をご紹介しております。

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