生成AI活用の店舗内サイネージ向け広告配信の実証実験(NTTドコモ/インテージ/ダイノブ/今村商事)

2024年7月1日8:15

NTTドコモとインテージ、台信商店(以下、ダイノブ)、今村商事の4社は、2024年5月8日~6月28日の期間に実施した「生成AIを活用した店舗内サイネージ向け広告配信に関する実証実験」において、通常1週間程度かかっていた小売業のサイネージ用広告コンテンツ作成時間を、生成AIの活用により画像・動画を含め最短で1時間以内とすることが可能となり、合わせて広告対象商品の売り上げを最大で3.3倍増加させる効果を確認したと発表した。

小売業では深刻な人手不足が課題となっており、広告コンテンツ作成などの売り場づくりまで手が回らない状況が続いている。そこで同実証実験では、消費者の購買行動を喚起する売り場づくりの1つの手法であるサイネージにおいて、広告コンテンツを誰でも簡易に作成・配信できる仕組みを導入し、小売業における売り場づくりの人手不足への対応と、消費者がより楽しんで買い物をしていただける売り場づくりの支援を目指した。

店舗内サイネージ設置場所(NTTドコモ/インテージ/ダイノブ/今村商事)

各社の役割として、ドコモが生成AIを活用した広告コンテンツ作成および自動化に向けた検証、インテージがサイネージ端末およびデジタルサイネージ配信システム提供、ダイノブがサイネージ設置場所提供、今村商事がID-POSデータの分析となる。

同実証実験では、熊本県および米国でスーパーを展開しているダイノブのスーパーダイノブ城南店において、ダイノブが販売強化を希望する商品の広告コンテンツをドコモが生成AIを活用して作成し、店内3カ所に設置されたインテージのサイネージ端末およびデジタルサイネージ配信システムを通じ、消費者の購買意欲の促進し販売増につなげる取り組みを行った。また販売結果についてはID‐POSデータを今村商事がダイノブより取得・分析し、その効果について検証を行っている。

今回作成した広告コンテンツでは、生成AIを活用することで作成手順のうち最大で3分の2の工程を半自動化することが可能となり、通常外注すると1週間程度かかる作成時間について、画像・動画の作成を含めて最短で1時間以内に収めることができた。また作成した広告については表示期間(1商品あたり7日間)において平均で1.2倍、最大で3.3倍の売上増加につなげることが確認できたそうだ。

今後は2024年10月より第2期として、活用する生成AIの追加を含めた広告生成の品質向上やさらなる運用自動化に向けた実証実験を実施する予定だという。

この記事の著者

New Retail Navi編集委員

※流通・コマース関係の情報を中心に記事をご紹介しております。

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