AIアバターでおすすめ商品提示と接客代行による業務の効率化(博報堂テクノロジーズ)

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2025年6月18日7:40

博報堂テクノロジーズは、生成AIの特性を活用して、飲食店や施設の接客業務を高度化し、売上アップと業務効率化を支援するAIアバターソリューション「Bonappetica(ボナペティカ)」のサービス提供を開始した。

近年、少子高齢化による労働力人口の減少や営業時間の長時間化を主因に、飲食業界では慢性的な人手不足が顕在化している。こうした背景から、飲食店などの領域でもDX化が加速しており、さまざまなテクノロジーの導入や「すき間バイト」などのスポット型支援サービスが広がりをみせている。

画面イメージ(博報堂テクノロジーズ)

しかし、ツール操作の難易度や、短期間就業の従業員では行き届かない接客ノウハウ、商品知識の問題などがあるため、サービス品質の一貫性を担保するには依然として課題が多いのが実情だという。

さらに、タブレット注文やスマホレジといったセルフオーダー型のデジタルツールの急速な浸透は、業務効率を高める一方で、おすすめ商品の告知・追加オーダーの声掛けといった、顧客単価向上を狙ったアップセル施策が薄れてしまうという課題もある。

操作に不慣れな高齢者や対面でのやり取りに価値を感じる利用者層の満足度を低下させ、従来より飲食店が担保してきた接客の“温かみ”が失われつつある点にも解決が求められているという。

また、昨今ではインバウンド需要も高まり、英語だけでなく韓国語や中国語など多言語での接客が求められるシーンも増加しており、求められるサービスの品質も変化しつつある情勢だ。

博報堂テクノロジーズでは2024年にリリースしたマルチエージェントブレストAI「Nomatica(ノーマティカ)」の展開と共に、専門性の高いAIエージェントの構築と、それに付帯したサービスの研究・開発を進めてきた。

これにより、専門性が求められる業界や顧客のさまざまな利用シーンに応じたAIアバターの構築に成功し、この技術的知見に、音声対話機能やタップ型の案内・注文機能などを具備することで、より対人型の接客に近いオーダーシステムの提供が可能となった。

さらに、接客支援ソリューションのみに留まらず、カメラによる物体検知情報、注文対話記録、注文データなどを活用したレコメンド提案によって、店舗の売上アップの実現を目指すサービスとして展開するという。

同サービスは 「AIアバター接客モジュール」と「リアルタイム・レコメンドエンジン」を統合し、人材不足の緩和とともに、店舗運営における顧客単価および売上向上を目的としたアップセル施策を支援するサービスとなる。

AIアバターの特性を生かした言語翻訳機能や、各社の提供商品および接客ノウハウを反映させることで、無人店舗・ホテル・公共施設・自治体窓口など、多様なロケーションでの案内業務にも対応可能だという。

 同サービスの核となる技術は現在特許申請中であり、同技術が業界に新たな基準をもたらすことを期待するとともに、人手不足などの業界課題の緩和に寄与し、生活者一人ひとりに新たな体験価値を創出していきたいとした。

この記事の著者

New Retail Navi編集委員

※流通・コマース関係の情報を中心に記事をご紹介しております。

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