2026年10月21日7:00(JST)
【日本】JR東日本は2026年10月20日、モバイルSuicaのアプリで使えるコード決済サービス「teppay(テッペイ)」の提供を開始した。同日、東京・高輪のTAKANAWA GATEWAY Convention Centerで説明会を開き、ニュウマン高輪での報道公開と囲み取材を行った。Suicaの2万円の上限を超える支払いや残高の送付をどう実現し、加盟店をどう広げるのか。説明会と囲み取材での発言、公表資料から見ていく。(クレジットカードDB 大澤日出男)

Suicaを起点に決済サービスを組み合わせる 本人確認で30万円まで、ビューカード連携は限度額まで
説明会の冒頭、JR東日本 執行役員 マーケティング戦略部 Suica・決済基盤構築ユニット長 牧野達朗氏は、新型コロナウイルス感染症の流行を機にキャッシュレス決済が普及するなど、Suicaを取り巻く環境が大きく変わったと振り返った。「Suicaも変化に対応し、変えていかないとお客様に選ばれなくなってしまうのではないか」と強く感じていたと牧野氏は述べる。2024年12月に「Suicaの当たり前を超える」として打ち出した取り組みの1つが、teppayだ。

teppayは、4,500万枚以上が発行されているモバイルSuicaのアプリに加わる機能で、アプリを最新版にすれば使える。開始は「2026年10月20日(火)11時以降順次」で、2027年春にはモバイルPASMOでも提供を始める予定だ。JR東日本は、モバイルSuicaを2031年度に7,000万枚とする目標を掲げている。
コード決済では後発となる。囲み取材でどう差別化するのかを問われ、JR東日本 マーケティング戦略部 Suica・決済基盤構築ユニット 決済・金融事業部長 髙松奈帆人氏は、コード決済そのもので勝負するというより、Suicaを便利にする位置付けだと説明した。「Suicaを起点にした、様々な決済サービスを合わせてご利用いただくことで、お客様に大きな価値を提供していきたい」(髙松氏)という。

Suicaだけでは足りなかった点については、タッチで素早く払える強みに触れたうえで、チャージが必要で2万円までしか買い物できない点を挙げ、「お客様にそれを突破してほしいという期待は、もう随分前からありました」と髙松氏は述べる。teppayの残高では、マイナンバーカードで本人確認をすると最大30万円まで決済できる。本人確認をしたうえでビューカードを紐付ければ、事前のチャージなしにカードの利用限度額まで払える。Suica自体の2万円の上限については、将来的に超えられるよう検討を続けるとした。

ポイントは残高払い0.5%、連携支払い1%
teppayポイントとJRE POINTの統合は予定なし
本誌の3月の記事では、ポイントは「JRE POINT」ではなくteppay独自のポイントを予定していた。開始時点では、teppayの残高で払うと支払額の0.5%分の「teppayポイント」が付き、ビューカード連携支払いではteppayポイントではなくJRE POINTが付く形になった。JRE POINTは1,000円(税込)につき最大10ポイント(最大1%)で、ビューカードの請求額確定時に貯まる0.5%の最大2倍にあたる。街ナカでは、JALカードSuicaとビックカメラSuicaカードは連携支払いでも還元率がカード決済のときと変わらない(JALカードSuicaは基本0.5%のJALマイル、ビックカメラSuicaカードは最大1.0%)。交通系IC残高へのチャージや定期券などの購入には、teppayポイントは付かない。

teppayポイントのうち通常ポイントは、JRE POINTに交換できる。両ポイントの統合について髙松氏は「今のところは予定ございません」と答えた。2027年春からはモバイルPASMOの利用者もteppayを使えるようになる予定だ。モバイルPASMOの利用者は、やはりJRE POINTを使う形にはならないとみて、teppayポイントを貯めてもらい、そこからJRE POINTに交換してもらう形を案内しているという。

若年層から家族・友人へ 移動と購買のデータを掛け合わせ、グループへ送客
ほかのコード決済との違いとして髙松氏は、アプリのダウンロードが要らないこと、残高を交通系電子マネーにチャージできること、2027年春以降はモバイルPASMOとの間で残高をやり取りできることを挙げた。想定する利用者については、若年層が初めてSuicaを持つ機会が大きいとした。高校生の定期券の代金は親が払うことが多いとし、若い人から家族や友人へteppayが広がることに期待を示した。

データの活用については、Suicaで管理している移動のデータに、これまでカバーできなかった高額の買い物のデータが加わり、両方を掛け合わせることで新しい価値を提供できると考えているという。また、モバイルSuicaに載るteppayでクーポンやキャンペーンを案内することで、鉄道の利用が中心だった顧客をJR東日本グループのサービスへ呼び込みたいとした。
クレジットチャージはビューカードに限定 資金移動業はニーズ次第で検討
このコンテンツは会員限定(有料)となっております。
詳細はこちらのページからご覧下さい。
すでにユーザー登録をされている方はログインをしてください。













