2023年6月21日8:00
ジオテクノロジーズは、2023年6月16日に経営戦略発表会を開始した。同社では、移動でポイントが貯まるポイ活アプリ「トリマ」などで蓄積した膨大な位置情報や移動データなどを活用し、予測可能な世界を創るための「Geo-Prediction Platform」を開発したという。
「トリマ」は国民の10人に1人がダウンロード
アクティブユーザー400万
ジオテクノロジーズは、パイオニアから独立して、2023年6月で3年目を迎えた。2022年度は、年間総数34件のプレスリリースを配信するなど、地図会社からの変革を目指している。売上は40%成長し、一人当たりの労働生産性は53%増えた。営業利益は3.2%の成長にとどまるが、「我々はかつてのアマゾン、セールスフォースと同様に売り上げに対するR&Dは28%増やし、その中でデジタル地図に約倍の90%の開発費用を2年間で投入しました」とジオテクノロジーズ 代表取締役社長 CEO 杉原博茂氏は話す。
同社では、自動車・交通サービス、情報通信/ソフトウェア、小売・サービス・物流、大学・研究機関、金融・保険、建設・不動産、広告など、さまざまな分野にソリューションを提供しており、2022年度は約20%、300社近い顧客が増えた。また、販売パートナーは90社、約25%増加した。
開発拠点として、岩手県盛岡の東北開発センターに200名近い技術者を有し、全体では300名ほどのエンジニアがいるという。
主力事業である地図・ルート検索「MapFan」のユーザーは300万、月のPVは2,200万となる。また、ポイ活アプリ「トリマ」のダウンロードは1,400万人で+827%となった。杉原氏は「日本国民の10人に1人がダウンロードしています」と成果を述べる。毎月継続して利用するマンスリーアクティブユーザーは、約400万となるそうだ。
ジオテクノロジーズは、40億枚の画像データ、4,200万件以上の住所データ、8億アイテム以上の地図を構成するデータ、日本の道路総延長が126万Km、日10億以上のトリマの人流移動ログを保有している。こういったビッグデータのアセットを全開放して、提供していくという。例えば、災害予測、渋滞予測、集客予測、歩道の危険度予測などが可能になる。
Chat GPTは未来予測できない?
予測可能な世界を創るGPPを発表
また、人の流れが把握できれば、さまざまな業界とのつながりが構築できると見ている。杉原氏は「未来予測ができるかが、ジオテクノロジーズの使命であると考えています」と話す。Chat GPTに「未来予測はできますか?」と尋ねたところ、「私は未来を予測することができません。未来の予測は常に不確実であり、多くの要素や出来事の相互作用によって形成されるため、正確な予測を行うことが困難です」という回答だった。Chat GPT は、2021年9月までの情報で訓練されているため、膨大な情報からなる生成AIでも未来の予測は難しいとした。
同社のビジョンは、予測可能な世界を創る「Geo-Prediction Platoform(ジオプリディクション・プラットフォーム、以下GPP)」となる。同社では地図情報とさまざまなデータを合わせることによって、未来予測が可能になるとした。
ジオテクノロジーズが持つ高精度地図データ、道路スポットデータ、さまざまな建物、住所データ、人間が歩いている流れ、歩数データ、GPSデータ、移動体予測に加え、マーケティング調査、プランニング、意識調査を組み合わせ、包括したプラットフォームを構築した。トリマの10億ログの人流データなど、さまざまなデータをプラットフォームに入れて、地図データと融合して、それを分析・解析しながらアウトプットを出す。
こうしたデータは、地方・観光、EV充電ステーション、物流、ヘルスケア、インバウンド、交通・MaaS・CaaS、店舗・飲食・劇場、学校・公共、スマートシティなどに活用可能だ。生成AIもフェイクAIを除去したものにアクセスすることで、さらに可能性が広がるとした。
トリマのモニターは約630万
10万サンプルが取得可能に
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