ローソンと映像認識AI×LLMを活用して店舗従業員の作業行動を分析・可視化へ(NEC)

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2025年10月31日15:14

NEC(日本電気)は、ローソン(以下 ローソン)と共に、NEC開発の映像認識AIと大規模言語モデル (Large Language Model、以下LLM)を活用して店舗従業員の作業行動を分析・可視化する実証実験を2025年10月27日~11月2日まで、埼玉県の1店舗で実施する。

店内映像から作業行動を抽出しデータを分析(NEC)

同実証実験では、店舗従業員の作業映像を映像認識AIで分析する。分析された作業内容はLLMを活用して文章化され、定量的なレポートとしてまとめられる。そして、作成されたレポートが業務効率化施策の検討のために活用できるかを検証する。NECは同実証実験により店舗作業を定量化することで、ローソンが掲げる店舗作業30%削減に貢献することを目指す。

小売業界では、少子高齢化による労働力不足が重要な課題となっており、それを補うための生産性向上施策が求められている。NECは、こうした業界課題の解決に向けて、デジタル技術を活用した店舗運営の効率化と、顧客接点としてリアル店舗の価値最大化への貢献を目指している。

コンビニエンスストア業界においても働き手の確保が難しくなる中、社会インフラとして顧客に求められる役割はさらに拡大しており、これまで以上に顧客価値の創出に直結する業務への注力が求められているそうだ。

店舗作業の効率化を実現するためにまずは現在の業務の実態把握が必要となる。しかし、店舗の作業項目は100以上にのぼり、それぞれの所要時間を正確に把握するためには担当者が直接店舗で作業に立ち会い、手作業で作業時間を計測する必要があった。効率化施策の検討を進めていくうえで、毎回このような測定を手作業で実施することは担当者と店舗にとって大きな負担となる。

同実証実験では、店舗に設置したカメラで作業中の従業員を撮影し、その映像を分析する。映像認識AIによって、映像内の従業員の業務を作業項目に分類する。さらにLLMが、分類された各作業工程やその所要時間を文字化し、店舗作業内容を定量的に把握できるレポートを自動作成する。同レポートで示した時間と、従来の手段で計測された作業時間を比較し、今後の店舗の施策検証に活用できるかの有用性を評価する。
なお、同実証実験で撮影する映像については、映像分析対象となる従業員、および顧客等の偶然写り込んでしまった人々のいずれも個人を特定する利用を一切行わない。プライバシーについて十分に配慮するとともに、個人情報保護法や関連法令を遵守した上で、実証実験にのみ利用する。また、映像データは厳格な安全管理措置を講じ、実証実験の終了後に速やかに削除するそうだ。

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