2011年8月9日9:36
半導体メーカーで、セキュア・マイクロコントローラ(セキュア・マイコン)のサプライヤーであるSTマイクロエレクトロニクス(ST)は、IC乗車券用に普及しているオープン規格「Calypso」の最新バージョンに準拠した新しいセキュア・マイコン「CD21-Rev3」を発表した。同製品は、旧式のカード・リーダ(Calypso準拠)に対しても互換性がある。
IC乗車券用のオープン規格であるCalypsoは、公共交通機関およびその他乗車券向けにヨーロッパの事業者コンソーシアムにより策定された。現在、世界21カ国の80以上の交通機関がCalypsoに準拠した乗車券カードを運用しており、5,200万枚以上のカードが発行されている。
STの最新製品がサポートするCalypso Revision 3では、電子マネー、ポイント・サービス、USBキーなどの追加サービスの利用が可能だ。STのセキュア・マイコンCD21-2K/CD21-8Kの実績をベースにしたCD21-Rev3は、カード発行会社以外による唯一のCalypso Revision 3準拠ソリューションである。そのため、システムのユーザや開発者は、独自性と信頼性を確保することができる。また、旧式カード・リーダとの互換性により、全世界の公共交通機関において、Calypso Revision 3の採用が可能になる。STは、Calypso Networks Associationに10年以上参加しており、同規格の全世代をサポートする製品群を取り揃えている。
CD21-Rev3ソリューションは、国際規格EMVに準拠するとともに、EAL5+ Common Criteriaセキュリティ保証を実現。また、ISO/IEC 14443、ISO/IEC 7816、EMVCo Level 1に準拠している。これらの規格への準拠により、交通機関に加え、自治体サービス、イベントおよび社員・学生証システムなど、多くのアクセス制御、支払いおよび発券アプリケーションでの使用が可能だ。
現在、CD21-Rev3はサンプル提供ならびに量産中で、ウェハ(厚み:150/75um)またはモジュール〈超薄型非接触モジュール:CB6(250um)/CB4(330um)・デュアル・インタフェース・モジュール:D70〉で提供している。