タリーズ、モバイルオーダーや楽天ポイントカード導入などサービス拡充 顧客データ基盤の共通活用で店舗とECでのおもてなしを強化へ

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2026年3月6日8:00

タリーズは、プリペイドカード「タリーズカード」など、キャッシュレス決済環境を整えてきた。モバイルオーダーシステムは約830店舗のうち、420店舗で導入済みで、2025年2月から楽天ポイント、3月には楽天ポイントのアプリとの連携も開始した。現在、楽天ポイントカードの提示率は約3割に達し、新規顧客獲得にも効果を示している。将来的にはロイヤリティプログラムの構築、オンラインとオフラインを融合した顧客へのおもてなしを強化する方針だ。

タリーズコーヒージャパン マーケティング本部 部長 工藤和幸氏

店舗支払いの3分の2がキャッシュレス
「LINEでかんたんモバイルオーダー」も導入

タリーズでは、支払いの約3分の2がキャッシュレス決済となっており、国内やコンビニエンスストアの平均を上回っている。マーケティング本部 部長 工藤和幸氏は、「タリーズカードはキャッシュレス化に一定の影響を与えています」と述べる。

タリーズでは、タリーズカードへのクレジットカードなどによるオンライン入金やコード決済の導入など、非接触で決済できる環境を整備してきた。また、コロナ禍で準備は遅れたが、モバイルオーダーをアプリから導入している。キャッシュレスについては、以前は電子マネーなどが中心だったが、現在はコード決済の利用者が増加した。コード決済は、キャンペーンと連動することも多く、お客様の利用促進につながっている。これに加え、タッチ決済の浸透などとともに、クレジットカードの利用が伸びているそうだ。

現在、店舗でのタリーズカードの決済比率は約10%。アプリへのシフトに向け、タリーズコーヒーで実施していた「タリーズカード支払いでドリンク1杯ごとに10円引き」サービスは、2025年8月5日で終了し、それに代わる割引サービスはアプリ内のクーポンやポイントシステムに移行・統合し、より分かりやすく利便性を高めた。工藤氏は「アプリの会員数とダウンロード数は今年最も高い成長を示しています」と述べる。

同社では、「モバイルオーダー」サービスを、2023年9月27日より43店舗で開始し、2026年1月末現在、約420店舗まで拡充している。アプリでのモバイルオーダーはタリーズカード決済のみだが、クレジットカード、PayPay、Amazon Pay、楽天ペイでチャージ可能だ。コード決済がチャージに加わったことで、入金の利便性がさらに高まった。

「オーダー」をタップし、商品を受け取る店舗と受け取り方法( 店内での利用・持ち帰り)、商品を選ぶ
注文内容が決まったら、利用規約に同意の上、「支払う」をタップし、好みの支払い方法を選ぶ。注文番号が表示されれば注文は完了。レジに並ばずに、モバイルオーダーの受け取り口で商品を受け取れる

モバイルオーダーの普及について、後会計環境では順調に浸透しているが、タリーズのような先会計環境では顧客のアプリからの支払いの動線をスムーズにすることが求められるという。利用者の傾向として、「出勤前に購入いただくお客様などには支持されています」と工藤氏は話す。通勤途中でアプリから注文し、来店して商品を待ち時間なくスムーズに受け取り、会社に向かう消費行動が考えられる。特に平日の午前中はテイクアウトの比率が高く、顧客が事前に注文してピックアップする傾向がある。一方、週末やティータイムではイートインの比率が高い。モバイルオーダー利用者は月の来店回数が多いことも確認されており、逆に、来店スパンが長い顧客の利用はハードルが高いとした。モバイルオーダーの訴求に向けては、客席にQRコードを設置するなど、認知向上に努めている。

ライトユーザーに向けては、LINEミニアプリを利用した「LINEでかんたんモバイルオーダー」を導入している。LINEからは、クレジットカードやコード決済を利用して直接オーダーできる。LINEでサービスの良さを理解してもらうことで、「アプリをダウンロードして会員登録していただき、お客様からのロイヤリティを高められるよう努めていきたい」と工藤氏は意気込む。

なお、他のカフェチェーンではクレジットカードのポイントがお得に貯まる施策を実施しているが、現状は使いやすいモバイルオーダーを構築することに注力している。また、自社アプリの機能拡充にも継続的に取り組んでいくことを目指す。

楽天と連携しオンとオフの連携図る
データ活用で心のこもったおもてなしを

楽天と連携した取り組みとして、モバイルオーダーでの楽天ID連携を2025年2月26日より開始した。これにより、アプリのダウンロード数も増加した。8月6日からは、楽天ポイントカードを導入し、店舗で貯めたり、使えたりできるようにした。

楽天との連携の理由として、ポイント発行数が圧倒的に多いことに加え、「楽天様がお持ちの情報を中心にオンラインとオフラインをマージし、O2Oを進めるパートナーとして最適だと考えています」と工藤氏は話す。楽天ポイントカードの導入により、ポイント原資の負担は発生するが、楽天会員の利用者も増え、提示率は月々高まっている。現在、利用者の3割が楽天ポイントカードを提示しており、購買行動や来店頻度などのデータを分析することで、「顧客理解を深め、サービス向上に役立てていきたいです」と工藤氏は述べる。結果として、新規客が増え、提示率は月々高まっている。また、楽天ペイ利用者も伸びているそうだ。

流通店舗はオフラインにフォーカスしているため、POS上でオンラインのサービスをマージさせるのは難しいが、同社では、伊藤園グループとしてのデータ集約化に取り組んでいる。

タリーズでは今後、伊藤園グループとして、顧客のデータ基盤を共通活用しながら、得た情報を1つにまとめていく。POS、会員、Webサイト、アプリなどのデータを集約し、顧客が誰で、どのような来店頻度で、どういう志向があるのかを理解していく方針だ。将来的には、A店の常連顧客がB店を訪れた際も「いつもありがとうございます」と店員が挨拶できるような心のこもったおもてなしをしていきたいとした。

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