「エスコンフィールドHOKKAIDO」での完全キャッシュレスは浸透へ アプリ会員証で決済やマイルが貯まる「FビレッジPAY」も好評

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2026年3月11日8:00

北海道日本ハムファイターズの本拠地である「エスコンフィールドHOKKAIDO」では、2023 年の開業当初から完全キャッシュレスで運用している。開業から3 年が経った。ファイターズ スポーツ&エンターテイメント 管理統轄本部 経営推進統括部 業務推進部 部長の三浦義宜氏は「われわれが思っているよりもスムーズに完全キャッシュレスに移行できたと感じています」と成果を述べる。今後は、北海道ボールパークF ビレッジ(以下、F ビレッジ)を拠点に、周辺の北広島市などと連携した取り組みも構想する。

ファイターズ スポーツ&エンターテイメント管理統轄本部 経営推進統括部 業務推進部 部長 三浦義宜氏

「FビレッジPAY」が利用一位に
ジャックスとの提携カードも発行

「エスコンフィールドHOKKAIDO」では全店舗でキャッシュレス決済を導入しており、現金は使用できない。フルキャッシュレス化については、三井住友カードの協力を得て、クレジットカード、電子マネー、コード決済と、一般的に普及している決済手段を網羅して使えるようにした。また、現金利用者に対してはイオン北海道の「FIGHTERS×WAON」を販売することで、球場内でチャージして利用できる環境を整えた。FIGHTERS×WAONは新球場の開業に合わせ、券面デザインを変更し、販売している。三浦氏は「イオンは北海道が強い地域で、親和性が高いです。利用者が慣れ親しんでおり、手軽にご利用できます。FIGHTERS×WAONも当初は現金利用者の購入要望は多かったが、2年目、3年目と購入者が減少しており、完全キャッシュレスは一定の浸透はしています」と話す。

球場内で最も利用されている決済手段は、 80万ダウンロードされているFビレッジ公式アプリの「FビレッジPAY」で、次いで、クレジットカード、PayPay、WAONの順に多い。「FビレッジPAYがここまで浸透するのは予想外でした」(三浦氏)。利用者は、同アプリにクレジットカードや銀行口座(F NEOBANK、Bank Pay)を登録し、即時決済が可能だ。また、事前に金額をチャージしなくても利用できる。同社では、アプリ決済機能としてプリペイドシステムの導入も検討したが、チャージした金額が球場でしか使えないとなると、来場者の利便性は下がる。かつ資金決済法など運用面の負荷が高かったという。三浦氏は「FビレッジPAYでは、決済機能を紐づけることで、アプリ会員証を提示するだけで決済もポイント付与も完了することができ、お店にとっても回転が速くなります」と説明する。ヘビーユーザーに加え、新規の来場者からも支持されているという。

北海道ボールパーク F ビレッジでの決済ができる「F ビレッジPAY」

FビレッジPAYは、利用に応じて「Fマイル」が貯まる。ファンクラブイベントなどでは、特にFビレッジPAYの利用率が高まるという。

キャッシュレス決済は据え置きに加え、モバイル端末も導入しているが、レジスピードは現金併用時よりも早くなり、レジ締めも電子化することで、短時間で終了する。SNSなどの書き込みを見てもキャッシュレス化へのネガティブな意見は年々減っているそうだ。

なお、北海道函館市創業のクレジットカード会社であるジャックスとは、提携カード「ファイターズJACCSカード」を発行しており、FビレッジPAYに紐づけて利用するとFマイルが通常よりお得に貯まる特典がある。

三浦氏は「複数の決済手段を使い分けされる時代です。F NEOBANKやファイターズJACCSカードをお持ちの方は、使い分けされています」と話す。

銀行サービス「F NEOBANK」も展開
EC決済など新サービスも検討

2023年7月26日からは、公式アプリにモバイルオーダーサービスを導入した。利用者は、公式アプリからフードやドリンクを注文できる。また、商品の受取方法は、利用者自身が店頭で受け取る「ピックアップ」と、Woltの配達パートナーが席まで届ける「デリバリー」の2種類を用意した。デリバリーについては配送料がかかるが、一定の需要がある。

キャッシュレス対応については、安定した通信環境が必要となるが、Fビレッジでは最先端のICT(情報通信技術)環境を整えており、大規模なトラフィックにも対応できるようにした。導入している決済手段自体が通信障害を起こした際は対応が難しいが、全面的にキャッシュレスが使えなかったことは今までにないという。

“スポーツ×銀行サービス”の展開にも注力する。住信SBIネット銀行とは、銀行サービス「F NEOBANK」を展開しており、新たな世界観で利用者の取り組みができている。「F NEOBANK」では、球場内でのFビレッジPAYで通常のFマイル付与に加えて+1%、外部加盟店で1%のマイルが付くため、ファンクラブのランクアップを高めたい人に喜ばれている。また、試合での先行入場特典がある。三浦氏は「住宅ローンを組んだ利用者に対してキャッシュバックするなど、面白いブランドイメージが確立できました」と話す。現在の口座数は約2万8,000口座で、メイン口座として使ってもらいたいとした。

なお、2024年5月31日から、NTTドコモの「dポイント」が貯まり、使えるサービスも開始している。これにより、Fマイルとdポイントを便利に貯めることが可能だ。

今後は、顔認証や指紋認証といった技術の導入も検討しているが、「技術先導で球場体験の満足度を低下させないためのバランスを見る必要があります」と三浦氏は述べる。また、eコマースでの支払いなども検討する。例えば、グッズのセールページで購入する人がアプリで会員登録し、フラッシュセールなどでワンクリック決済ができれば便利だとした。

F ビレッジを取り巻く環境の変化として、2028 年のJR 北海道の新駅開業(仮称:北海道ボールパーク駅)、30 年のファーム(2 軍)の北海道移転などが想定されている。F ビレッジ周辺では、タワーマンションや大学の移転などの開発が進んでおり、「周辺の観光地なども含め、街を作るのは永遠のテーマです」と三浦氏は語った。

 

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