AIコマース(AI Commerce)とペイメント(決済)の融合について(AIコマースとオンラインペイメント第1部 第5回目-最終回)

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2026年10月15日8:00

和田 文明

プロフィール

キャッシュレス、電子マネー関連のジャーナリスト/ライター、主に欧米、アジアのセキュリティを含むキャッシュレス情報、カスタマーロイヤルティプログラム情報を取材

AIコマースとオンラインペイメント (第1部)の5回目(最終回)は、AIコマース(AI Commerce)とペイメント(決済)の融合について触れておきたい。

AIコマースとオンラインペイメント 第1部(9月~10月)

Index(目次) 1、AIコマースのキーワード 2、AIコマースとは? 3、AIエージェンティックコマース(AI Agentic Commerce) とは? 4、地域的AIコマースの展開状況について 5、AIコマース(AI Commerce)とペイメント(決済)の融合について

AIコマースとオンラインペイメント 第2部(11月~12月)

Index(目次) 1、AIコマースとVisa 2、AIコマースとMastercard 3、VisaとMastercardのAIコマース戦略の比較 4、AIコマースとStripe 5、AIコマースにおけるデジタル財布の機能と役割

 

エージェンティックコマース(Agentic Commerce)を支えるFinTech(決済)インフラの進化 AI(人工知能)にデジタル財布(決済権限)を持たせるため、金融・ペイメント業界では現在、以下のような高度なテクノロジーが標準化(デファクトスタンダード化)されつつあるとされている。

・Shared Payment Tokens(共有決済トークン) ユーザーのクレジットカード番号をそのままAI(人工知能)に渡すのは致命的なセキュリティリスクであり、そのため、StripeやVisaなどは、1回の取引や特定の予算枠(例:「この調達タスクに対して上限3万円まで」)に限定された、暗号化された一時的トークンを動的発行する技術を実装している

•Machine Payments Protocol(マシン決済プロトコル) AI(マシン)同士が人間を介さずに、安全かつミリ秒単位で取引の正当性を認証し、決済を承認し合える共通の通信規格(プロトコル)の導入が進んでいる

・信頼されたエージェントの判別(Trusted Agent Protocol) 加盟店(ECサイト)側は、アクセスしてきたAI(人工知能)が本当にお金を払ってくれる正規の購買AIなのか、サイトに負荷をかける悪質な転売Botやスクレイピングなのかを見極める必要があり、これを判別・認証するセキュリティレイヤーがネットワーク層に組み込まれている

AIコマース(AI Commerce)とペイメント(決済)との融合は、現在のビジネス・金融業界において最も注目されているイノベーションの1つであるとされている。これまでのECは、人間が検索して、選んで、カード情報を入力して買うものであったが、現在ではAI(人工知能)が人間の代わりに商品を選び、そのまま自律的に決済まで完了するという転換期(パラダイムシフト)を迎えているといわれている。

  1. エージェンティックコマース(Agentic Commerce)の到来

AIコマース(AI Commerce)は、従来のおすすめ商品を表示する段階から、自律的に行動するAIエージェントが購入までを完遂するエージェンティックコマース(Agentic Commerce)へと進化を目指している。

エージェンティックコマースへ(Agentic Commerce)では、ペイメント(決済)との融合が最も重要になるとされている。人間がECサイトにログインしてペイメントボタンを押すのではなく、AI(人工知能)がAPI(Application Programming Interface)やバックエンドで直接決済を処理するフリクションレス(無摩擦)な仕組みが欠かせなくなる。

〇ユニバーサルコマースプロトコル(UCP)などの登場

2025年から2026年にかけて、AIエージェントが人間の代わりにインターネット上のあらゆるECサイトを巡回し、在庫確認から購入、決済までを標準化されたデータ連携で行うための共通プロトコル(通信規格)の開発が世界中で急速に進んでいるといわれている。

  1. ペイメント業界の巨人たちの動きとエージェント型決済

AIエージェントにデジタル財布(決済権限)を持たせるため、次のようなペイメントインフラを支えるグローバル企業やFinTech大手は、すでに新しいペイメントプラットフォームを次々と発表している。

Stripe

(ストライプ)

ペイメントサービスプロバイダー大手のStripeは、エージェントコマース時代を見据えた製品開発で市場をリードしている。

・OpenAIとの共同開発(ACP)

OpenAIと共同でAgentic Commerce Protocol(ACP)を公開し、ChatGPTなどのAI(人工知能)が直接購入手続きを行えるInstant Checkout機能を支援している

・共有決済トークン(SPT)の拡張

Machine Payments Protocolなどを通じ、AI(人工知能)が安全に決済認可を行うための高度なセキュリティ基盤を展開している

Visa と

Mastercard

クレジットカードの二大巨頭も、AI(人工知能)に特化した決済網を構築している。

・VisaのIntelligent Commerce / MastercardのAgent Pay

AIエージェントによる自動購入を安全に処理するための専用プラットフォームである

・Trusted Agent Protocol(Visa)

AIエージェントが不正なBotではなく、本物のユーザーから権限を委託された信頼できる身代わりであることを認証するセキュリティフレームワークである

 

  1. AI×ペイメントが解決する高度なバックエンドテクノロジー

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