スマートフォンにいち早く対応し順調に会員数を拡大(ネットプライス)

2011年10月25日8:00

商品提案にこだわり、顧客の「参加」「共感」を得られるサイトを目指す
スマートフォンにいち早く対応し順調に会員数を拡大

ネットプライスは、1週間ごとに商品を入荷する「netprice(ネットプライス)」「ちびギャザ」と24時間・12時間限定のフラッシュセール「24value.com(ニーヨンバリュードットコム)」のサービスを展開している。同社では2011年4月にPC版・モバイル版・スマートフォン版のサイトを全面リニューアル。従来以上に商品そのものの価値の「伝え方」や「提案の仕方」にこだわり、ユーザーの「参加」「共感」を得られるサイトを目指している。また、AndroidやiPhoneにもいち早く対応し、スマートフォンにより行われる決済の伸びは著しいという。

ネットプライス

トップページで誰かが買った商品を閲覧

Twitterのコメントも表示

ネットプライスが運営する「netprice」で販売する商品は、美容・健康アイテムや生活雑貨、ファッション、時計、高級ブランドアイテムなどとなっており、商品の購入申し込み数が増えるごとに商品の価格が段階的に安くなったり、購入申し込み数が集まれば商品開発を実現したり、販売開始をするなど「ギャザリング」のサービスを提供しているのが特徴だ。

netpriceのPCサイトのトップページ

同社では、2011年4月にサイトの全面リニューアルを実施。これまでは、旬な商品が期間限定で入れ替わるサイクルの早さを売りにしていたが、リニューアルを機に、安くていい商品を販売することはもちろん、ユーザーの声を取り入れ、多くのユーザーに参加してもらうことを目的にサイトを構築している。

具体的には、ネットプライスからユーザーへ商品を提案するだけでなく、ユーザーからネットプライスへの「参加」「共感」が相互に行き交うことで、それぞれが「いいことをおしえあう」関係性を築き、お互いが進化していくという思いを込めたサイトとなっている。

「『参加』『共感』型のWebサイトにすることで、お客様が商品を実際に使っているシーンをイメージできるような商品詳細ページや特集の作りこみを行っています。リニューアル後のCVR(訪問者に対する購入の割合)は、全体的に向上し、何週間もかけて売り抜く戦略商品に関しては、さらに高い数字を出すことに成功しました」(ネットプライス 営業統括本部 サイト戦略Div.ディビジョン長 三根俊輔氏)

ユーザーは、サイトのトップページで誰かが買った商品を閲覧でき、さらに「Twitter」のコメントについても閲覧・投稿できる。ネットプライスは、これにより、ユーザーの購入する気持ちを喚起させている。また、商品ページの機能を充実・強化し、商品の特長にあわせたさまざまな見せ方ができるよう改良している。内容に関してはユーザーの立場に立って、ライターやデザイナーが内容を考案しているという。

スマートフォンユーザーは毎月110~125%の伸び

iPhoneはPC、Androidはガラケーの利用傾向に近い

ネットプライスでは、PC、モバイルに加え、AndoridやiPhoneといったスマートフォンにもいち早く対応した。モバイルとスマートフォンに関しては一部共有ページもあるが、「トップページ、各カテゴリーページ、商品詳細ページ、キャンペーンページなどはスマートフォン用にカスタマイズしています」と三根氏は説明する。サイトのつくり込みについては、スマートフォンならではの画面表示、タッチパネルやスクロールを活かした操作性を意識したという。

左からiPhoneのちびギャザアプリのトップページ、商品詳細ページ、みんなのお気に入り一覧、カートページ

スマートフォンの売り上げは、全体からみるとまだまだ少ないものの順調な伸びを示している。例えば、ネットプライスのAndroid経由での2011年8月の売上高は、同年5月と比べ、71%増となり、Androidの伸張率が顕著になっている。一方で、従来の携帯電話の売り上げについては、ほぼ横ばいの状態を維持しているそうだ。

「スマートフォンでの売り上げは、毎月110%程度の伸びとなっており、多い月では125%になることもあります。ユーザーが利用する時間帯については、従来の携帯電話は夜の7~8時、PCは9~10時にピークとなりますが、iPhoneはPC寄りでAndroidは従来の携帯電話に近い傾向を示しています」(三根氏)

ネットプライスユーザーは、リピート顧客が多いのが特徴だが、スマートフォンユーザーに関しては、新規のユーザーの占める割合が高い。半年前は男性の比率が高かったが、最近では女性の会員も増えているそうだ。会員の年齢層は、従来の携帯電話よりも若干若くなっている。また、スマートフォンユーザーが同社のサイトに訪れる導線としては、検索サイト、メールマガジン、ブログに加え、Twitterなどのソーシャルメディアなどからが多くなっている。

スマートフォンでの売れ筋としては、PCなどと同様に人気のある美容関連やブランド商品に加え、iPhoneカバーやバッテリーなどが売り上げ上位にあがってきているようだ。

今後もスマートフォンユーザーの増加は続くとみているが、PCユーザーに関しては、自宅でゆっくり・大画面で買い物を楽しみたい人が多いため(お客様座談会を開催した際にいただいた実際の声より)、一定の割合を保つと予想している。ただ、「スマートフォンならではの画面表示を活かし、PCと遜色ない見せ方・買い方をユーザーに提供できれば出先で買い物をする方は増えると考えています。また、タイムセールやメールマガジンでお知らせする場合は、スマートフォンや従来の携帯電話のほうが有利です。スマートフォンならではのメリットを打ち出すことで、利用者を伸ばしていきたいですね」と三根氏は話す。

携帯キャリア決済を検討中

スマートフォンユーザーは今年中に10%超えを目指す

ネットプライス 営業統括本部 サイト戦略Div.ディビジョン長 三根俊輔氏

現在、IDを発行した会員の累計は、約220万人。会員はIDとパスワードでログインして決済処理を行う。決済処理は外部に委託しているが、現在はキャリア決済の導入も検討しているという。

ネットプライスでは、今後も、配送や「お客様サービスセンター」の機能強化やユーザーの参加機能・イベントの充実など、大幅なサービス改善を継続的に行っていく方針だ。スマートフォンユーザーについては、「全体の売り上げの10%以上を当面の目標として推進しており、その目標は今年中に達成できると思います」と三根氏は自信を見せている。

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