2012年2月2日8:00
「イーコンテクスト決済サービス」を「EC-CUBE」に提供
月額課金を標準搭載し、洗替処理にも対応
決済代行事業者のデジタルガレージ イーコンテクストカンパニーは、2012年2月1日に記者説明会を行い、ロックオン運営のオープンソースの通販サイト構築システム「EC-CUBE」に対応した「イーコンテクスト決済サービス」の提供を開始したと発表した。「EC-CUBEオーナーズストア」で提供中の決済モジュールとしては初めて、月額課金に標準で対応する予定だ。
デジタルガレージ イーコンテクストカンパニー
クレジット決済と現金決済をハイブリッドで提供
加盟店への振り込みは締日から8銀行営業日に実施
デジタルガレージでは、収納代行サービス「econtextゲートウェイ」(売り上げの約8割)と、プリペイドPIN販売「コンテンツID販売」(売り上げの約2割)を主なサービスとして提供している。これまでの実績として、提供加盟店数は4万5,000店舗、年間取扱額は1,500億円、年間取扱件数は2,000万件となっている。同社では、クレジットカードなどの収納代行サービスに加え、コンビニエンスストア4万2,500店舗、金融機関2万7,500店舗の全国7万店舗の現金決済ネットワークを有しており、「主要な収納代行企業はクレジットカード決済と現金支払いのいずれかに強みを持っていますが、その両方をハイブリッドで提供できるポジショニングである」とデジタルガレージ 上級執行役員 イーコンテクストカンパニー カンパニープレジデント 宮城克郎氏は説明する。
同社が提供する支払い選択画面では、クレジットカード、各種電子マネー、PayPal、銀行決済などの決済メニュー追加が加盟店側で容易に行える。また、締日から8銀行営業日で加盟店に複数の決済手段を一括して支払うことができる可能だ。加盟店に提供する精算内訳については、CVSファイルに全決済を一括して記載しており、統一フォーマットにより消込作業などが容易に行えるという。さらに、今年度は、PC、従来の携帯電話、スマートフォンへのシームレスな対応を重点課題として挙げている。
中堅規模の企業を中心に半年で100社への導入を目指す
月額課金では「有効期限切れ」や「カード番号変更」のリスクを回避
ロックオンのEC-CUBE向けの決済モジュールは、ECサイト構築パッケージを2006年9月にオープンソースとして公開したものであり、現在推定1万5,000店舗以上で実際に稼働している。当然、デジタルガレージの競合となる決済代行事業者もEC-CUBEに対応した決済モジュールを先行して提供しているが、「EC-CUBEオーナーズストア」で提供中の決済モジュールとしては初めて、2月から月額課金を標準で提供する予定だ。加盟店は、e-context決済モジュールをインストールするだけで月額課金に対応できる。デジタルガレージ イーコンテクストカンパニー 営業本部 営業部 部長 武本泰伸氏は、「弊社の同業でEC-CUBE向けの決済モジュールを提供している企業は15社程ありますが、まだ月額課金には対応していません」と自信を見せる。
今回提供する月額課金では、会員のクレジットカード情報を最新の状態に更新する「洗い替え処理機能」にも対応しており、「有効期限切れ」や「カード番号変更」などの理由で決済が失敗となるリスクも回避できるという。同社では、健康食品の定期販売、季節もの食品の頒布会、デジタルコンテンツの月額有料課金など、幅広い加盟店への導入を想定している。
そのほか、初回決済時に登録したクレジットカードで2回目以降の購入手続きを簡略化する「2クリック決済」に対応しているため、加盟店のeコマースサイト利用者の手続きを大幅に軽減することが可能だ。また、各種決済手続きで頻繁に利用する「取消処理」「売上処理」「金額変更」などの処理ボタンをEC-CUBE上に設置したため、加盟店は複数の画面で手続きする必要がない。
従来、同社では、大手ECサイトを中心にビジネスを展開していたが、「中堅規模の事業者(加盟店)からのお問い合わせが増加している」(武本氏)ことから、今回のEC-CUBE決済モジュールのリリースに至った。同社では、中堅規模の企業を中心に、まずは半年間で100社へのサービス導入を目指す。