2012年12月6日15:34
京都信用保証協会は、中小企業者向け融資にかかる保証申込関係書類や条件変更関係書類、求償権関係書類など協会業務全般に渡る重要書類の約26万件の管理強化や関連業務の効率化などを実現するため、日立のICタグ「μ-Chip(ミューチップ)Nモデル積層ラベル」を活用した「保証書類管理システム」を導入し、本所ならびに京都府内4支所にて本格稼働を開始したと発表した。保証申込関係書類だけでなく、条件変更関係書類、求償権関係書類など協会業務全般の保証関係書類にICタグを取り付けた管理システムを導入するのは、全国の信用保証協会の中で、初となる。
同システムは、日立ソリューションズと日立製作所が共同で開発したシステムで、今回、日立ソリューションズが構築した。μ-ChipNモデル積層ラベルは、書類や図書などの用途向けにアンテナ形状を従来のICタグから変更させることにより、約1~2mm間隔で積み重ねても同時に読み取ることが可能だ。
京都信用保証協会では、保証稟議書類や決算資料などの保証関係書類を顧客ごとの保証ファイルに収納し、それぞれの保管庫にて管理を行っていたが、保証関係書類の適切な収納や廃棄を行うための書類管理強化と業務効率化が課題となっていた。これらの課題を解決するため、今回、書類が密集した状態でも瞬時に読み取りができるICタグを活用した同システムを導入したという。
実際の運用は、保証協会共同システム「COMMON(コモン)システム」から保証関係情報を取得し、保証申込時に顧客番号・顧客名・保証番号などの情報を登録したICタグを保証関係書類に取り付ける。保証関係書類を入出庫する際に、同システムに入庫・出庫の登録を行うことで、誰が・いつ・何の保証関係書類を利用・返却したかという履歴や所在管理を行うほか、入庫時には顧客毎の全数チェックを行い、混入書類や不足書類を瞬時に確認することができるという。また、COMMONシステムからの情報を定期的に更新しシステムに反映させているそうだ。
同システムでは、密集した大量のICタグが一括で読み取れるため、100件を超える保証関係書類も一括して入出庫が可能だ。 また、棚卸の際には、ハンディ型リーダにより一括で読み取ることで現物確認が可能となり、本所にある保証関係書類約18万件の棚卸も、約3日間で完了できる見込みだ。