2013年3月27日9:30
2013年3月5日~3月8日まで、東京ビッグサイトで「リテールテックJAPAN 2013」(主催:日本経済新聞社)が開催された。
決済やカード関連で注目を集めたのは、三菱UFJニコスとJR東日本メカトロニクスのブースだ。両社ではクラウド型マルチ決済システム「J-Mups」を共同で展開している。同サービスでは、クレジットカード、Suica等の電子マネー、ポストペイのiDとQUICPayに対応している。インターネットの強みを最大限生かした決済スピードとクラウド型ならではの高い拡張性と安全性、低コストを実現したのが特徴だ。今回の展示会では、「バナナの叩き売り」やスロットゲームなど、ユニークな形で製品を訴求した。
日本NCRは、小売店舗とオンラインショッピングの融合を実現するO2Oソリューション「NCR SelfServ(セルフサーブ)85スリムライン・キオスク端末」とeコマース・パッケージアプリケーション「エンドレス・アイル」を紹介。端末には、レシートプリンター、磁気カードリーダ、QRコード対応イメージスキャナーを装備。限られた店舗でも豊富な商品の訴求が可能で、端末を利用して決済まで可能だ。また、スマートフォンで顧客自身が商品登録を行い、セルフレジで精算を行う「モバイル・セルフチェックアウト」もPR。顧客の精算時にスマートフォンに送信されたバーコードを使って、個人別の割引クーポン等の特典を与えることも可能だ。
凸版印刷は、サイバーエージェントと共同で展開するO2Oプロモーションサービスの新しいソリューション「リアルいいね!S」を紹介した。利用者は、手持ちのNFCスマートフォンをICタグにかざすと、Facebook上に“いいね!”ができるのが特徴だ。
また、スマートフォンのUICCにクレジットカード番号等の個人情報をネットワークを通じてセキュアに配信する「TOPPAN SP-TSM」をPRした。まずは、Visa payWave、MasterCard PayPassの非接触クレジット決済データの配信からサービスを開始する。
そのほか、富士通エフ・アイ・ピー(富士通FIP)と共同で事業展開する「ギフトカードASPサービス」における新サービス「デジタルギフトカード対応サービス」を紹介した。利用者は、自身の持つギフトカードのID番号と、カード裏面にあるPIN番号を専用のWebサイト上で入力するとPassbookへ登録され、バーコードを表示させることで、カードレスで決済が可能となる。
富士通FIPは、ギフトカードASPサービスに対応する電子マネーチャージKIOSKを紹介。同チャージ機は、ギフトカードの残高照会やチャージをリアルタイムで実施することができる。また、電子マネーと紙幣を挿入するだけの操作で済み、カードの残高や有効期限、チャージ結果をレシートで出力可能だ。さらに、来店ボーナスなどのクーポンサービス、ポイント情報端末としても利用できる。また、PFUのブースでも同ソリューションはPRされていた。
東芝テックのブースでは、レピカもスマートフォンを活用したギフト・プリペイドソリューションをPRしていた。レシートのバーコードなどに表示されたバーコードをスマートフォンで読み取ることで、会員登録サイトへ誘導する。入会者には、誕生日やキャンペーンの際に自動でメール配信を行うことで店舗へ誘導が可能だ。また、携帯画面に会員バーコードを表示させることで、カードレスで決済やポイントの付与が行える。
東芝テックでは、クレジットカード決済、電子マネーソリューション、スマートフォン決済など、多彩な決済ソリューションを紹介。同社ではクレジットカード決済端末「CT-4100」の決済時に端末上で電子サインを行うサービスを参考出展した。
インコム・ジャパンは、大手コンビニエンスストアや家電量販店、GMSなどにPOSA(InComm’s Fastcard point-of-sale activation)の仕組みを提供している。同社では、国内外で販売されているギフト・プリペイドカードの陳列イメージを紹介した。
日本ポステックは、スマートフォン決済用のカードリーダ、プリンタ一体型モバイル端末「JPT-D210」を展示した。従来、スマートフォンで決済を行うには読み取りができるカードリーダと、レシートを出力するプリンタの両方を用意する必要があったが、JPT-D210はカードリーダとサーマルプリンタを標準搭載しているため、1台のデバイスのみで決済を行うことができるのが特徴となっている。
iPadやiPhone/iPodTouchを用いたPOSシステム「スマレジ」を提供するプラグラムは、ゼウスと共同で展開するスマートフォン決済ソリューションを紹介。クレジットカード読み取り部分にイヤホンジャック差込タイプ(IDTECH社製)を選定し、iPadや新型iPodTouchなど、さまざまな形状に対応できるという。また、楽天もスマートフォン決済サービス「楽天スマートペイ」を紹介した。
セイコーソリューションズ(3月末までセイコープレシジョン)では、決済パッケージをワンパッケージで迅速に構築できる「CAPS P-QVIC」を紹介。電子マネー決済に必要なセンター機能をユーザーが開発することがないため、導入初期費用の低減が可能だ。また、スマートフォンやタブレットをクレジットカード決済端末として利用可能となっている。
キヤノンマーケティングジャパンでは、決済ハンディPOSパッケージ「POS-TABLE(ポスタブル)」を中心に、キヤノン製ハンディターミナルで実現する決済ソリューションを紹介した。
バイテルジャパンは、業界最小クラス・低価格のCCT認定モバイル型決済端末及び据置型の新端末を展示した。すでに、シー・オー・シーのセンターに接続している。ICクレジット、デビットカードに加え、銀聯、各種電子マネーにも対応する予定となっている。
NECは、スマートフォンやタブレットなどのスマートデバイスと連携して、ユーザーの店舗への来店、購買行動を支援する「NEC O2O(オーツーオー)クラウドサービス」をPRした。また、非接触ICカードリーダライタ等の製品も紹介した。
マイクロソフトのブースでは、インディゴが施設内で顧客の買い廻りを促進し、その関心や行動を分析する「Map MashUp Manager」を紹介した。場所と時間に連動したリアルタイム情報を、顧客のスマートフォン等のマルチデバイスに配信するクラウドベースの屋内マップサービスとなる。同社では、ショッピングセンター、アウトレットモール、サービスエリア、駅ナカなどでの利用を想定している。