2015年10月14日8:00
おサイフケータイやiPhoneケースでのサービスも展開
スターバックス コーヒー ジャパンでは、プリペイドカードでキャッシュレスな支払いができる「スターバックス カード」を発行している。また、非接触ICカード技術「FeliCa」を搭載したスマートフォンで利用できる「モバイル スターバックス カード」、iPhoneケースとして利用可能な「STARBUCKS TOUCH The Cup(スターバックス タッチ ザ カップ)」なども展開。今後は、それぞれのサービスから吸い上げられたIDを利用して、CRMの強化につなげていく方針だ。
「スターバックス カード」の決済件数は順調に増加
「モバイル スターバックス カード」会員の定着率は高い
スターバックス コーヒー ジャパンが発行する「スターバックス カード」は、同社のCRM戦略に有効活用されており、「決済件数は、昨年対比で15~20%伸びています」と、スターバックス コーヒー ジャパン マーケティングコミュニケーション本部 デジタル戦略部 部長代理 長見明氏は話し、笑顔を見せる。
すでに総発行枚数は1,000万枚を超えており、定番カードに加え、話題性のあるデザインのカードも発行されている。また、Webサービスの「My Starbucks」に会員登録を行うと、クレジットカード決済でチャージが可能な機能を利用可能だ。
同社では、2014年3月から東京都内300店舗、4月から全店舗を対象に、「My Starbucks」会員に対し、非接触ICカード技術「FeliCa」を活用した「モバイル スターバックス カード」を展開している。モバイル スターバックス カードは、スターバックス カードをおサイフケータイ対応のスマートフォンや携帯電話で利用できるサービスとなる。長見氏は、「会員数は堅調に伸びています。また、利用者の定着率は高く、リピート率の高い方が確実にお使いいただいています」と話す。課題としては、カードに比べて、利用者への認知が難しい点を挙げる。
モバイルを活用したサービスの採用に向けて、検討を進めていた当時、NFCとバーコードの双方を検討していたという。POSに対応したサービスとしては共に構築したが、バーコードについては、インターネット上のギフトカード販売サービス「Starbucks eGift」等で活用されている。
「お客様がレジに並ばれた際、アプリを立ち上げてバーコードを表示させるよりも、かざすだけで決済が完了するのは、利用された方にとって心地のよいものであり、将来像としてはいいと考えました」(長見氏)
CRMに有効活用できるインフラが整う
2店舗限定の「STARBUCKS TOUCH The Cup」も販売
2015年5月20日からは、スターバックス カードの新シリーズとして、FeliCaチップを搭載したiPhone 6ケース型スターバックス カード「STARBUCKS TOUCH The Cup(スターバックス タッチ ザ カップ)」を発売。FeliCaのチップは、キーホルダーやリストバンドなど、さまざまな形状で利用できるが、第一弾としてiPhoneケースを発売したそうだ。最初のデザインでは、テイクアウト用のペーパーカップのモチーフを採用。マットな風合いを出すため、表面をラバーコーティングで仕上げたという。デザインは、「ロゴがここまで主張していいのか、というようなブランド色の強いものを意図的に作りました」と長見氏はほほ笑む。
また、8月3日には、fragment designの藤原ヒロシさんと、SOPH.co.,ltdの清永浩文さんが手掛けるブランド「ユニフォーム・エクスペリメント(uniform experiment)」とコラボレーションしたiPhoneケース型スターバックスカード「スターバックス タッチ“ユニフォーム・エクスペリメント”」を、一人一個限定で、表参道B-SIDE店および東急プラザ表参道原宿店の2店舗限定で販売。告知はTwitterやファッションサイトなど、ごく一部に限られたが、「ファッション性のあるエリアで、限定感を出して販売したところ、即日完売となりました」と長見氏は成果を口にする。
スターバックスカードでは、サーバ管理型のプリペイドカードの仕組みを採用しているため、IDを紐づければさまざまな形状のカードを発行できる。今後は、iPhoneケースにとどまらず、カード形状とは異なる魅力的なデザインを検討していきたいとしている。
そもそも、同社が、スターバックス カード、STARBUCKS TOUCH、モバイル スターバックス カード、Starbucks eGiftといったサービスを展開しているのは、支払いの際に、従来とは異なる体験を提供し、CRMに役立てる目的があるからだ。これまでの各種施策により、インフラは整ったため、今後はよりプラスアルファの情報を得て、CRMに有効活用していきたいとしている。