東京スター銀行のCRM施策を公開

2012年1月6日8:00

CRM施策の現況

中心は目的の異なる2種類のeメール

同社が配信している主なeメールとしては、毎月1回15日に配信しているマンスリーニュースレター「Tokyo Star Timesスタータイムス」(以下、「スタータイムス」) と、月に2~3回不定期に配信しているキャンペーンメールがある。そのほか、外国為替商品の利用者に対しては、為替レートが週単位で一定以上変化した場合、キャンペーンメールの号外版として、商品の売買を勧めるeメールを配信。また、口座開設から一定期間経過後の「WELCOMEメール」など、時間軸をベースとするeメールも5~6種類配信している。

「Tokyo Star Timesスタータイムス」

スタータイムスは2009年4月から配信を開始した。内容はファイナンシャル・プランナーによる資産運用に関する連載や新規店舗開店のお知らせなど。また、2009年9月からは、より双方向性を高めることを目的に、クイックアンケートなども実施している。ターゲットはeメールアドレス登録済みの口座保有者全員(配信拒否者を除く)だ。

一方、キャンペーンメールの内容は、新しい金融商品やサービスの紹介が主なもので、興味を持った人が、表示されているURLをクリックすることにより、詳細な説明のためのWeb画面を表示、その場で申し込みを行って情報収集できるようになっている。ターゲットはスタータイムスと同様にeメールアドレス登録済みの口座保有者全員だが、口座開設チャネル(店舗、インターネットバンキング、コールセンター)と、年齢、性別、居住エリアなどを組み合わせてセグメンテーションを行い、コンテンツの順番を入れ変えるなど、多少異なる内容のeメールを配信している。

また、スタータイムスとキャンペーンメールでは、その目的が明確に異なる。スタータイムスの目的は、同社に対する親近感の醸成である。従って、具体的な金融商品の紹介などはあまり行っていない。一方、キャンペーンメールについては、具体的な金融商品を紹介し、販売を拡大するためのツールとなっている。

口座保有者に絞ったアプローチを実施

同社のeメール・プロモーションのターゲットは、基本的に同社に口座を持つ既存顧客である。以前は問い合わせ実績者など、見込客を対象にeメールを配信することもあったが、効果が薄かったことから現状ではほとんど行っていない。

eメールアドレスの獲得については、店頭やインターネットバンキングでの口座開設時に登録を求めているほか、店頭やダイレクトメール(紙媒体)でeメールアドレス登録を促すキャンペーンを随時実施。2009年4~7月に、Web上で利用履歴を確認できる「eステートメントサービス」利用者以外の口座保有者に毎月郵送している利用明細書に「eメールアドレス登録のお勧め」を同封するかたちで実み口座が従来の2倍近くに増加した(ちなみに同社では通帳は発行していない)。なお、具体的なeメールアドレス登録済み口座数については開示していないが、2001年6月の東京スター銀行移行後の全開設口座の1/3程度に上っている。

あえてテキストベースとして必要に応じて

Webに誘導するかたちを採用

同社においてeメールプロモーションを担当しているのは、マーケティング部門のCRM担当チームである。スタッフ数はチーム責任者を含め3名であり、いずれも専任ではなく、他業務と兼任するかたちで業務を遂行している。

配信ペースについては、外国為替商品の利用者を除き、同一アドレスへの配信は1週間の間隔を空けることを基本的なルールとしている。また、クリエイティブについては、スタータイムスとキャンペーンメールの双方とも、金融機関という立場からフィッシング詐欺などと誤解されることのないよう、あえてHTMLなどのリッチコンテンツとはせず、テキストベースで必要に応じてWeb画面に誘導するかたちを採用。さらに、同じアドレスを夫婦・家族で共有するケースなども考慮し、あえて個人名は表示しないかたちとしている。

複数のチャネルの連携により

マーケティング施策の効果を最大化

住宅ローンのキャンペーンメール

同社では、複数のチャネルの連携により、マーケティング施策の効果を最大化する試みを数多く行っている。その代表的な例が、キャンペーンメールに対するコールセンターからのフォローコールである。

対象となるキャンペーンメールは、外貨預金や投資信託など、ターゲット顧客に合わせた旬の金融商品の推奨を目的としたもの。これらの配信対象者に、商品の理解度を確認し、さらなる推奨を目的とするため、配信後数日以内にアウトバウンド・コールを行っている。なお、同社においては、eメールで商品を知り、コールセンターからのフォローコールで購入意志を固め、インターネットバンキングや店舗で購入するなど、購買行動が複数チャネルにまたがる顧客も少なくないが、このような場合でも各チャネルで情報を共有し、スムースな取引ができるよう連携を密に取っている。

「CRM年鑑2010―CRM&ダイレクトマーケティング成功事例集」の紹介ページ

アイ・エム・プレスの「CRM年鑑2010」では、CRM推進企業30社の(1)企業の概要、(2)CRMへの取り組みの背景、(3)顧客情報の収集・管理方法、(4)CRM施策の現況、(5)CRM施策の効果、(6)課題と展望がまとめられています。本記事では東京スター銀行の(4)CRM施策の現況のみをご紹介しております。

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