2012年12月6日18:42
STマイクロエレクトロニクス(ST)は、エネルギー・ハーベスティング(環境発電技術)機能を内蔵したSTの非接触メモリを搭載するシステム向けに、開発キット「M24LR Discovery Kit」を発表した。現在サンプル出荷中で、希望小売価格は17.50ドル。
同開発キットには、ISO/IEC 15693準拠のNFC対応スマートフォン、またはRFID(Radio-Frequency Identification)リーダライタを使用してデータ交換可能なバッテリを使用しない電子機器の設計に必要なものがすべて含まれている。
同開発キットは、自己給電型データ収集・資産管理・診断といった機能を、スマートフォン・タブレット用アクセサリ、コンピュータ周辺機器、電子棚札、生活家電、産業オートメーション、センシングおよびモニタ・システム、パーソナル・ヘルスケア機器など、さまざまなアプリケーション向けに開発・統合する期間を短縮するうえで役立つという。
STのEEPROMである「M24LR」は、業界標準のシリアル・バス(I2C)と非接触RFインターフェースを組み合わせた製品で、有線または無線でホスト・システムと通信可能だ。さらに、同製品のRFインターフェースは、RFIDリーダライタやNFC対応スマートフォンまたはタブレットから周囲に放射された電磁波を電力に変換することで回路の電源にするため、完全にバッテリを使用しない動作ができるという。
同開発キットは、32bitマイクロコントローラ (STM32)が制御する13.56MHzマルチプロトコルRFID/NFCトランシーバ(CR95HF)を搭載したRFトランシーバ基板と、電磁波を電源に変換して無線通信するデュアル・インタフェースEEPROMメモリIC(M24LR)、超低消費電力8bitマイクロコントローラ(STM8L)、および温度センサ(STTS75)を搭載したバッテリなしの基板で構成されている。