2011年11月10日10:26
STマイクロエレクトロニクス(ST)は、RFID/NFCワイヤレス・メモリ・ファミリを拡充する新しいデュアル・インターフェースEEPROM(16Kbit)の「M24LR16E」を発表した。
エネルギー・ハーベスティング・ワイヤレス・メモリのM24LR16Eは、実績のあるM24LR64(64Kbit)の低容量メモリ版で、16Kbitの不揮発性EEPROMを特徴としている。データ保持期間は40年間で、書込み/消去サイクルは100万回となっており、小型電子機器を電池不要にするための十分な電力を取得することができるという。
エネルギー・ハーベスティングでは、周囲を取り巻く環境から得られるエネルギーを、小型システムを駆動する電力に変換する。身の回りのエネルギーは、電波、廃熱、人の移動から生じる運動エネルギー、あるいは風力・太陽光エネルギーなど、多種多様な形で存在しており、自由に利用することができるとともに、二酸化炭素やその他排出物が発生しないという。同エネルギーを利用することで、設計者は、コストがかかり、サイズや重量の制約があるとともに、取り付けが面倒なバッテリーや外部電源などへの依存を軽減することができる。
この16Kbit製品を含め、STのデュアル・インタフェースEEPROMは、低電力のI2CインターフェースおよびISO15693(13.56MHz)に準拠した非接触RFインターフェースを搭載しており、RFIDリーダライタが発する電磁波を取得し、他の電子部品を駆動するための電圧出力に変換可能だ。
EEPROMのエネルギー・ハーベスティング機能は、新しいタイプの小型電子機器を可能にするという。STは、M24LR16Eを使用し、LEDインジケータを点灯させると共に、電池不要の8bitマイコン用開発キットであるSTM8L Discovery Kitを駆動させるデモを実施している。潜在的なアプリケーションとして、電子棚札などの電子ペーパー製品、産業オートメーション、検知・監視システム、パーソナル・ヘルスケア製品などが挙げられる。複数のメモリ容量オプションがあり、電磁波からエネルギーを取得するこができるM24LR16Eは、STのデュアル・インタフェースEEPROMのポートフォリオを拡充し、スマート電子機器において革新的なアプリケーションを実現するという。
現在、M24LR16Eは量産中で、SO8/TSSOP8/ MLP8の表面実装パッケージで提供している。単価は、1,000個購入時に、約0.6ドル(SO8/ TSSOP8パッケージ)、約0.66ドル(MLP8パッケージ)となる。また、同製品はウェハ形状での提供も可能だ。