2024年1月26日12:40
AI とローコード開発、クラウドを活用したソリューションを提供する鈴与グループのアライズイノベーションは、複数の地方金融機関と共同で、AI-OCR(AIRead) と Microsoft 社の生成 AI を用いて金融機関の業務の高度化(金融 DX )を図る実証検証を 2024 年 1 月から 2024 年 3 月まで実施する。金融機関に眠る大量の企業データを活用し、金融機関の融資審査や営業業務の効率化と属人化の解消を目指すという。
地方金融機関が抱える課題として、公開情報が少ない地方中小企業から受領する大量の決算書等のデータ化と分析が困難であり、その結果、融資審査や営業などの業務が個々の担当者に依存していることが挙げられる。これらの課題を、AI-OCR(AIRead)と Microsoft 社の生成 AI の積極的な活用により克服できないかを検証する。
また、同実証検証では、山梨中央銀行など複数の地方金融機関に参加してもらう。それぞれが抱える課題やアイデアを、実証検証を通じ共有することで共通の課題を明確にしていく。
これまで金融機関内に埋もれた重要な情報を活用し、高度な信用リスク評価として「複数の勘定科目から顧客の信用リスク評価をより正確に算出」「顧客間の取引、関係性の確認とリスクの検知」「融資審査・管理業務の高度化」を検証する。
また、顧客ごとの個別対応として、「顧客の事業、取引先、保有資産等の特徴に基づく金融商品の推奨」「過去の取引履歴や企業・経営者の嗜好に基づく金融商品の推奨」「固有の観点で分析された財務・投資アドバイスの提供」を検証するという。さらに、包括的なマーケットの分析として、「類似企業データから特定のマーケットトレンドの分析と戦略の策定」「マーケットにおける顧客の価値向上に向けたアドバイスの提供」「異業種間のコラボレーションやマッチングの可能性の創出」といった点を検証する。
地方金融機関向けに、決算書等からデータ化を行うAI-OCR(AIRead)と、企業検索・分析を行うための生成 AI(Azure OpenAI Service)を用いて、業務要求を満たすことが可能かを検証するそうだ。
この記事の著者
Finance News Navi編集部
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