イオン銀行と連携、iQuattroでサプライヤー企業の早期資金化を支援(NTTデータ)

2024年8月6日16:35

NTTデータは、イオン銀行と連携し、サプライチェーン上の商流データをiQuattro(アイクアトロ)に一元的に管理・蓄積し、融資に活用するサプライチェーン・ファイナンスの仕組みを構築したと発表した。同取り組みの第一弾として、イオン銀行より、発注書データを元にサプライヤー企業に融資を行う「発注書ファイナンス」の提供を開始する。

NTTデータは、サプライチェーンにおける企業間や業務プロセス間での情報活用を推進するプラットフォームであるiQuattroを2017年より提供し、企業間での情報活用によるサプライチェーン最適化・高度化を目指す数多くのプロジェクトのコンサルティングからシステム導入まで総合的な支援を実施してきたという。その中でiQuattroを活用したさらなる価値創出を目指し、NTTデータのアセットである法人インターネットバンキング「AnserBizSOL」と連携し、サプライチェーン上の商流情報を金融業務に活用するサプライチェーン・ファイナンスシステムを開発した。

NTTデータが考えるサプライチェーン・ファイナンスの概要(NTTデータ)

同サプライチェーン・ファイナンスシステムは、サプライチェーンにおけるバイヤー・サプライヤー間の受発注などのさまざまな商流情報をiQuattroにより一元的に管理・蓄積し、金融機関側での融資に利用できる形に加工し、金融業務に活用するものだ。具体的には、発注データを元にサプライヤー企業に融資を行う「発注書ファイナンス」や、売掛債権を支払期日前にサプライヤー企業に前払いする「早期資金化」などを指す。

NTTデータは、2022年よりイオン銀行とサプライチェーン・ファイナンスの検討を開始し、システム構築を進めてきた。このほど、イオン銀行よりサプライヤー企業向けに「発注書ファイナンス」の提供を開始する。

同サービスの特徴として、企業間の商流データ(EDIデータ)を各企業から連携し、iQuattro上で金流データに統合することにより、発注日・入金日等の単位で融資申込に活用可能な形に加工する機能を提供する。それにより、サプライヤー企業への資金融資のための金融機関側での時間短縮や事務作業の効率化が実現され、サプライヤー企業の早期資金調達を実現することができるという。加えて、商取引に実際に使用されている情報を融資申込に利用することができる。

また、同機能で加工したデータを活用し、サプライヤー企業が金融機関に融資申込をするための各種画面・ワークフロー機能を提供する。これにより、サプライヤー企業はこれまでより簡易的に融資申込が可能となる。

さらに、NTTデータが提供する法人インターネットバンキング「AnserBizSOL」とのシングルサインオンによる認証連携機能や、企業の既存の仕組みとの接続や連携が実施でき、既存システムを活用した柔軟な構成が可能だ。これにより、高セキュアな環境での外部サービスとの連携や新規システム構築範囲の最小化、システム開発期間の短縮を実現するそうだ。

NTTデータは、今後も多様な商流データの活用を検討し、サプライチェーン・ファイナンスシステムのサービス提供領域を拡大させる予定だ。また、サプライチェーンの強靱(きょうじん)化を目指すさまざまな顧客へのサービス展開やバイヤー企業向けの買掛金長期化によるキャッシュフロー改善等の新たなサービスの企画検討を進めていきたいと考えている。今後、2029年には110億ドルに達すると予想されるサプライチェーン・ファイナンス市場に対して、iQuattroでのサプライチェーン・ファイナンスシステム構築経験や資産を生かし、ASEAN諸国をはじめとするグローバル市場も視野に2030年までに30件のサービス提供を目指す。

この記事の著者

financenews

Finance News Navi編集部

金融分野(銀行、投資、証券、保険)のテクノロジー、マーケティング、最新動向の啓蒙ポータルサイト

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