化粧品の触り心地を遠隔・非接触で体験できる技術開発に向けた共同研究開始(資生堂/NTT)

2024年9月24日10:36

資生堂と日本電信電話(NTT)は、資生堂の感性科学研究の知見とNTTの非接触情報提示技術を融合し、遠隔・非接触でも、化粧品の触り心地を視覚や聴覚を通して体験できる、革新的な技術の開発を目指し、共同研究を開始した。

共同研究を通じて目指す世界(資生堂/NTT)

これまでオンライン販売では、実際の商品やテスターに触れることなく化粧品の触り心地を伝える手段は限られており、動画や言語表現による情報提供が主流だった。同共同研究を通じてさらに体験価値を高め、将来的には遠隔・非接触でも触り心地を体験し、時間や場所、言語などの制約を超えて、いつでも世界中の一人ひとりの多様なニーズに応える新たな体験機会を創出するという。

資生堂は、同社の強みである人の感覚や心理といった主観的なものを客観的・科学的なアプローチで解き明かす感性科学研究とDX(デジタルトランスフォーメーション)の融合にも取り組んでいる。一方、NTTは、人間が感じ取る感覚・知覚の内容を、リアルに、そして豊かに伝達・共有することをめざし、これを可能にする社会を目指した研究開発を行っているそうだ。近年では、素材の柔らかさを非接触で利用者に伝える技術提案を行っている。両社のビジョンと新しい技術開発に必要な知見が合致したことから、同共同研究を開始するに至った。

今回、資生堂は感性科学研究において、肌触りや化粧品の感触に関する知覚メカニズムの知見や、心地よい感触を生み出す製剤化の知見を提供し、NTTは質感を伝達する非接触情報提示技術や質感の錯覚に関する知見を提供する。

同共同研究は、人間が化粧品基剤に触れた時の触り心地を視覚や聴覚など複数の感覚の視点で探り、最終的には、化粧品基剤の触り心地をさまざまな感覚で再現する感覚インターフェースを実現するという。同感覚インターフェースを活用することで、オンライン販売などで実際の商品やテスターに直接触れることが難しい状況でも、生活者が触り心地を体験できる新しい機会を創出するそうだ。これにより、一人ひとりの多様なニーズやライフスタイルに合った化粧品の選択や購入が可能になる世界を目指すという。

この記事の著者

New Retail Navi編集委員

※流通・コマース関係の情報を中心に記事をご紹介しております。

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