強化されたスキャンが可能なSDK 7.0を発表、幅広い業界に対応(スキャンディット)

2025年2月10日6:50

スキャンディットは、2025年2月6日、最新版SDK(ソフトウェア開発キット)SDK 7.0を発表した。SDK 7.0は、小売、物流、製造、航空などの幅広い業界に対応するインテリジェントな機能を追加することで、困難なスキャンの課題を解決するという。

Scandit SDK 7.0(スキャンディット)

SDK 7.0内の強化されたスキャンエンジンは、コンテキストを認識し、環境とユーザの意図の両方を理解して、スキャンワークフローを実現するという。これにより、効率がさらに高まり、スキャンの難しい状況でも優れた精度が得られ、コストのかかるエラーが減るという。

Smart Scan Intentionの新機能は、コンテキストの認識が必要な環境を考慮し、ユーザの意図をインテリジェントに予測することにより、スキャナの向け方が不正確でもバーコードが正しくスキャンされるようにする。現場の従業員と顧客の両者にとって、これは、食料品店の通路や倉庫など、複数のバーコードが並ぶ可能性のある環境において、間違ったバーコードをスキャンすることから生じるエラー、効率の低下、フラストレーションを減らすという。不要なスキャンが最大100%減少するため、オーダーピッキングのような時間のかかるプロセスと関連コストが大幅に削減される。

 Smart Label Captureは、ラベルからバーコードとテキストデータを同時に抽出し、複雑なデータ入力を最大7倍高速化するマルチモーダルデータキャプチャを可能にする。同機能は、シリアル番号、重量、または有効期限が記載されているラベルに適しており、精度を高めてエラーを減らし、情報の誤りによる収益減を防ぐ。ある米国の企業は、ラベルの誤った解釈による過小請求で130万ドルの売上損失を回避したそうだ

 アップグレードされたSparkScanユーザ・インタフェース(UI)では、より簡素化されたUIにより、従業員向け、コンシューマー向けを問わず、さまざまなアプリケーションにも対応するという。また、このUIはユーザの環境や動きに適応する。新しいカスタマイズオプションにより、プロダクトマネージャーとユーザ・エクスペリエンス(UX)チームが、個別のアプリのニーズに合わせてデザインやUXの質を低下させずにUIを調整できるそうだ。

ID(身分証明)検証は、無効なIDの検出機能がID Validateに追加され、手作業での確認や従業員の立ち会いを必要とせずに、有効期限切れや、破損した書類を識別できるようになり、その一方で偽造IDの検出精度は99.9%に向上した。1秒のスキャン速度を維持しながら、ドライバーの登録などのオンボーディング手順におけるユーザ・エクスペリエンスが改善されている。

SDK 7.0のパフォーマンスアップデートには、デバイスの稼働時間を延長する20%のバッテリー寿命の向上と、化粧品や電子棚ラベル(ESL)など、手の届きにくい場所にあることが多い極小バーコードのスキャンをより高速かつ人間工学的に行う、65%のスキャン範囲の拡大が含まれる。プラットフォームのサポートの拡大により、MatrixScan Batch、MatrixScan  Find、MatrixScan ARがWebアプリケーションで利用できるようになった。

SDK 7.0のリリースと同時に、スキャンディットはCommunity Edition for Educationを発表した。これは、学生と大学関係者を対象に、スキャンディットのソフトウェアへの無料アクセスを非営利目的に限り提供するものだ。学生は、MatrixScan FindやMatrixScan Countなどの機能を含む、バーコードとIDのスキャン機能を無制限に利用可能だ。

この記事の著者

New Retail Navi編集委員

※流通・コマース関係の情報を中心に記事をご紹介しております。

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