アメックスのビジネスカードが急成長、イシュア・アクワイアリング双方でBtoB決済をサポート

2021年9月24日8:00

アメリカン・エキスプレス(アメックス)は、2021年9月17日、日本におけるB2Bキャッシュレス決済市場の最新トレンド説明会を開催した。同説明会では、エコノミスト 崔真淑氏が国内のBtoB決済におけるキャッシュレス決済の現状と課題について説明した。また、 キャッシュレス決済のメリットとアメックスの戦略について、アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc. 法人事業部門 法人カード営業本部 副社長 谷川美紀氏が紹介した。

左からエコノミスト 崔真淑氏、アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc. 法人事業部門 法人カード営業本部 副社長 谷川美紀氏

記事のポイント!
①日本でBtoBのキャッシュレスが遅れた要因
②政策面でも企業面でも伸びしろがある
③BtoC比率が低いほどキャッシュレスが進んでいない
④小規模・大規模事業者は遅れている
⑤ビジネスカードの取扱高が急成長
⑥業種・規模に応じたコンサルティング、ペイメントプロセスをサポート
⑦「SHOP SMALL」はクラウドファンディングで中小加盟店支援
⑧個人、法人カードの取り扱いの比率は?

日本はBtoB決済が浸透していない?
BtoC比率が低いほど導入が進んでいない現状

説明会ではまず、国内のBtoB決済におけるキャッシュレス決済について崔氏が説明した。日本におけるキャッシュ決済の課題と実情として、ここ数年、ほぼ右肩上がりでキャッシュレス決済は伸びている。2013年と2020年を比較すると、ほぼ倍となっているが、政府が掲げる2025年に40%という目標には相当の伸びが必要だ。「将来の目標は80%なので、現状を考えると今の施策では難しいという話も出てきています」と崔氏は話す。

キャッシュレス決済の海外各国の公表数値を見ると、1位が韓国、2位が中国と新興国が上位を占める。一方で先進国は5割前後のキャッシュレス比率となっているが、その中でもキャッシュレスが遅れている日本とドイツは銀行システムが整っている点が共通している。

崔氏は、日本がキャッシュレス化が遅れた要因として、1つには低金利が進んだことによりタンス預金が増えているデータを挙げた。また、先進国の方がキャッシュレス化が進んでいなかったというのは、平均年齢の高齢化が進むとキャッシュレス決済が進みにくいことを挙げている。さらに、ATMが至る所にある点や無料で利用できる点もある。ただ、決定的な要因にはなっていないため、それぞれが理由となっているとした。

また、日本ではBtoB決済のキャッシュレス化が浸透していないという。国内のこれまでの政策を見てもBtoC中心の議論となり、BtoBはさほど行われてなかった。企業自身もBtoB決済を現場に導入する機運が低かったという。BtoBのキャッシュレス決済により、経費削減効果は見えやすくなるが、「現場それぞれでは経費削減効果が得られにくいのが躊躇する」(崔氏)。ただ、政策面でも企業面でもさらなる伸びしろがあるとした。

キャッシュレス決済が中小事業者で進んでいるのかというと、アンケートによる企業数でも導入は7割を超えた。BtoBに関しては、BtoC比率が低いほど導入が進んでいない現状だ。すべて一般消費者向けの完全BtoC事業者は80.4%までキャッシュレス化が進んでいる結果となった。

業種別の導入状況として、一次産業、製造業、建設業ではキャッシュレス化が進んでいない。一方で飲食店や食品小売は、8割を超えている業態も増えてきている。また、中規模事業者では導入率が高いが、小規模事業者と大規模事業者は相対的にキャッシュレス浸透が遅れている。これには、いろいろな仮説が考えられるが、売り上げが低い事業者はキャッシュレスのメリットが見えにくいとした。また、大規模事業者も5割を超えているが、規模が大きいから超こそ新しい決済の仕組みの社内調整コスト・期間がかかる。客単価別の動向をみると、客単価が低い方がキャッシュレスの導入率が高い。一方で、10万円以上は80%以上が導入していないと回答している。

CCCの後回しは現金回収の遅れに?
政府主導でのインフラ整備に期待

日本のBtoB決済の遅れについて、崔氏は「商慣習が非常に影響している」と考えている。日本は、BtoBの支払い手段、受け取る仕組みは、銀行振り込みが中心だ。また、約束手形もある。銀行振り込みも約束手形も日本の経済成長を支えるうえで重要ではあったが、課題も指摘する。崔氏は、キャッシュフローの動きをなかなかコントロールしにくい点を挙げた。また、クレジットの仕組みを利用することにより、キャッシュを先延ばしすることなく、工夫できるとした。例えば、米国、イギリス、オーストラリアはカード取引が浸透してきていて、ファイナンス思考的なキャッシュフロー経営が当たり前になりつつあるとした。

さらに、金を回収するまでの速さを示す指標となるCCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)の後回しは、現金回収の遅れにつながるとした。米国・コカコーラは-205日、米国・Amazonは-26日となっている。Amazonは赤字ではあったもののキャッシュフローはプラスで、現金を手元に置いて企業投資を発展させてきた。「キャッシュフローを念頭に置いた米国と日本の企業では差がある。研究を見ると、CCCが早ければ早いほど、企業価値にプラスに働きます」(崔氏)。日本の上場企業は海外の投資家からの評価も重要であるため、現金を回すのが経営のレジデンスを考えるうえでも大切だとした。

日本でも政府主導で、決済インフラの高度化やキャッシュレス環境の整備が進んでいる。2022年4月には新・電子帳簿保存法の施行がスタートし、2023年10月にはインボイス制度が開始する予定であるなど、お金の動きを可視化する動きが進んでいる。国内では、現金を使う理由として“慣習”という声が多いが、カードを使うメリット、普及活動をしていかなければいけないとした。さらに、会計クラウドベンダーの登場もキャッシュレス推進に一役買っているが、業界によって利用に差があるとした。

ビジネスカードが急成長
イシュア、アクワイアリング両面でサポート

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