大阪観光局、XR体験システム搭載の新観光アプリ「Discover OSAKA」をリリース 国内外からの来阪客にお得で楽しい観光価値を提供、収益拡大を図る

2023年7月21日8:00

公益財団法人大阪観光局では、アフターコロナをにらんだ観光DX 推進策の柱として、観光アプリ「Discover OSAKA® 」の利用者拡大に力を入れている。JTB との提携により観光施設の予約・決済から入場までをシームレスかつストレスフリーで行える機能や、大阪公式観光情報「OSAKA INFO」と連携した豊富な観光情報の提供に加えて、2023 年7 月3 日からは国内外から人気を博す大人気アニメとコラボしたXR(クロスリアリティー)体験システムの利用を可能にした。アプリ「Discover OSAKA」を通じて、より便利で、より楽しい観光体験価値を提供することによって、大阪への観光客増加、収益拡大を図るのみならず、大阪を入り口に、日本全国の観光産業の活性化につなげたい考えだ。

公益財団法人大阪観光局 企画・マーケティング戦略部 観光DX 担当部長 芦田真亜氏

国内外からの観光客をアプリでサポート
便利で楽しい観光体験価値を提供

皮肉にもコロナ禍を契機に大きく前進した日本の観光産業のDX。大阪観光局では独自の観光アプリ「Discover OSAKA」を、アフターコロナにも継続するDX 戦略の核となる重要なツールと位置付ける。「Discover OSAKA」は2023 年3 月31 日にスタート。7 月3 日には人気アニメとコラボしたXR 体験機能を追加搭載した機能強化版をリリースし、大々的に報道発表を行った。

「Discover OSAKA」の機能の1 つは、旅行中に必要な観光情報の提供。大阪観光局では、日本の公共機関のWeb サイトとしては最多のページビューを誇る「OSAKA INFO」を運営している。ここから情報をアプリに転載。観光客の旅ナカをサポートする。

対応言語は日本語のほか、英語、簡体字、繁体字、韓国語。これは他の機能についても共通。来阪する海外からの観光客は、中国、韓国、台湾、香港など、アジア圏が多く、欧米圏も増えている。現在対応している言語でほぼ全ての観光客のニーズを網羅できていると同局では考えている。

2 つ目は、観光施設や体験商品の検索から予約・決済、およびQR コードによる入場をシームレスかつストレスフリーで行える機能の提供だ。これにはJTB の仕組みを活用。現在は府内約500 施設が対象だが、順次拡充する予定だ。

3 つ目の、7 月3 日に追加され注目を集めている機能が、XR 体験だ。大阪府内における主要観光施設の特定地点でスマホをかざすと、人気アニメのキャラクターが現れ、一緒に記念撮影をしたり、ゲームをしたりすることができる。「この企画がフックとなって、より多くの国内外のアニメファンが大阪を訪れてくれることを願っています」と公益財団法人大阪観光局 企画・マーケティング戦略部 観光DX担当部長 芦田真亜氏は期待を寄せる。

「Discover OSAKA」日英チラシ

「大阪楽遊パス」がもっとお得に便利に
今年度中に5 万のダウンロードを目指す

大阪観光局の主要な収益源の1 つは、「大阪楽遊パス」。1 日券と2 日券があり、購入すれば対象の25 以上の施設にQRコード1 つで無料入場ができるお得で便利なサービスとなり、1 日券が2,000円、2 日券が2,500 円だ。

「Discover OSAKA」の利用者は、特定の観光施設の指定された場所で、アニメキャラクターとの記念撮影をすることができるが、さらに「大阪楽遊パス」を購入した場合、施設の中にもう1 つ別のキャラクターとの撮影スポットが追加されるという特典がある。また、キャラクターと一緒に楽しむゲーム体験も、「大阪楽遊パス」購入者限定の特典となっている。

キャラクターと一緒に記念撮影ができるXR 体験スポットは、現在のところ、梅田スカイビル、通天閣などの楽遊パス施設8 カ所と、りんくう公園、関西国際空港、大阪城本丸庭園など大阪の主要観光スポット5 カ所、合わせて13カ所。

10 月にはアプリのさらなるバージョンアップが予定されている。1 つはNEC の顔認証技術を活用した顔認証決済の導入。アプリを通じて顔の情報を登録しておけば、店頭のタブレットに顔を映すだけで決済が完了。

特に外国人旅行客にとっては日本円の取り扱いは面倒。クレジットカードを取り出すまでもなく顔認証で決済を完了できれば、メリットは大きい。当初は飲食店10 店舗で始める
予定。

また、ドラァグクイーン変身体験やメイドカフェでのご主人様体験など、大阪でのディープな体験を提案する「Deep Experience Osaka」との連携を強化し、アプリから簡単に申し込み購入を可能にする。ほかに、国内外の大阪ファンから寄付を募って、大阪の飲食店の応援や観光産業を盛り上げる「SDGs 観光支援モデル」の実装なども計画されている。

アプリの登録・利用により収集された属性データ、行動データは、ターゲティング広告の配信などのマーケティング施策に生かす。

「大阪府内の周遊促進に加え、大阪を入り口に日本全国に観光客を送り出し、日本の観光産業の活性化に貢献したい」と芦田氏は意気込む。

現在「Discover OSAKA」のダウンロード数は約3,000。今後Visa やMastercard のカードホルダー向けプロモーションの実施などを予定しており、今年度中に5 万のダウンロードを目指している。

「決済・金融・流通サービスの強化書2023-大阪特別版-」より

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