2026年6月8日18:30
カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)、Vポイントマーケティングは、松尾研究所と共に実施している共同研究成果をまとめた論文『大規模言語モデルを用いたマルチドメイン行動ログの統合と行動予測』が、「2026年度 人工知能学会全国大会(第40回)」に採択されたと発表した。なお同研究成果については、2026年6月8日に同大会にて発表を行う予定だ。
近年、生活者の価値観や行動は急速に多様化しており、従来の考え方だけでは刻一刻と変化するニーズを捉えきることが困難になっている。こうした課題を解決するため、CCC、Vポイントマーケティングは松尾研究所とともに、アンケート等の「言語データ」や購買行動などの「実行動データ」を組み合わせ、生活者一人ひとりをより立体的・多面的に理解することを目指し、2025年9月より共同研究に取り組んできた。今回の共同研究論文は、その深い理解に基づいた「人間中心のAIペルソナエージェント」の社会実装に向けた第一歩となる理論的成果だという。
同研究は、生活者一人ひとりの行動や価値観を構造的に捉える「ユーザーモデリング」の高度化を目的としている。これまで、大規模言語モデル(LLM)を用いた行動分析は、主に単一ドメイン(特定の業態やサービス)内での履歴活用を前提としてきた。しかし、多くの生活者は複数の業態やサービスを横断しており、断片的なデータだけではその全体像を捉えきれないという課題があった。同研究では、LLMを活用してマルチドメイン(複数業態)の行動履歴から、一貫性のある文章化されたペルソナ情報を抽出・統合する手法を研究し、その有効性を実証した。AI技術の活用においては、学習・分析の対象となるデータの多様性と量が、そのアウトプットの解像度を左右する。AI技術を介することで、より高精度なユーザーモデリングが可能であることが学術的に裏付けられたという。これにより、将来的には個々にパーソナライズされた顧客体験への変換が期待される。具体的には、購買履歴といった「実行動データ」だけでは把握しきれない生活者の価値観や意思決定の背景をペルソナ文章として言語化し、アンケートなどの「言語データ」と組み合わせて分析することで、これまで以上に実態に即した深い顧客像の設計が可能になる。これにより、生活者一人ひとりの文脈に寄り添ったコミュニケーションやサービス設計につなげることが期待される。
今後は、生活者の潜在的なニーズをより高い解像度で捉えたサービスやプロダクトへの実装を検討するという。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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