2012年8月13日12:49
iPhone・iPad決済において、日本で初めて、1台で複数のクレジットカード加盟店契約を切り替えて使用できるソリューションが登場した。
フライトシステムコンサルティング(フライト)は、三菱UFJニコスの協力を得て、2010年9月から、iPhone用クレジットカード・銀聯カード決済ソリューション「ペイメント・マイスター」を展開している。すでに、店舗外の催事・イベント販売、飲食店、ホテルなどで採用実績があるが、今回、iPhone・iPad 用クレジットカード決済ソリューション「ペイメント・マイスター」の機能を大幅に向上させた「ペイメント・マイスターVer.3.1」をリリースした。
従来の決済端末では、1企業内で複数の異なるカード手数料率契約を保有する場合、異なる手数料率ごとに1台の専用決済端末が必要だった。例えば、損保・生保の取次代理店のように、1社で複数の契約を取り扱っている場合には、それぞれの契約会社ごとに専用の決済端末を用意しなければならなかったそうだ。
フライトシステムコンサルティング 代表取締役社長 片山圭一朗氏は、「複数の会社と契約する代理店の場合は、複数台の端末を持ち運ばなければならなかったため、直販の営業以外はクレジットカード決済が普及していませんでした」と説明する。また、自動車販売などにおいても「車両販売」「タイヤ・オイル交換」「パーツ販売」の契約ごとに専用の端末が必要だった。さらに、「レストラン」「結婚式場」など、複数の施設が入るホテルなども同様の悩みを抱えていたそうだ。
フライトでは、今回のバージョンアップにより、アプリケーションの特性を活かし、1台で複数の異なる契約を集約することを可能した。同社ではこの切り替え機能に関し、特許出願を準備している。片山氏は、「今回のシステムはワールドワイドで見ても史上初」であると自信を見せる。
店舗にとっては、1台の端末で複数の契約が可能となり、複数台にわたる決済端末の煩雑な管理の削減、手数料の異なる端末での決済ミスの減少を可能にすることで、業務効率が大幅に改善するという。さらに、請求番号等、専門用語になりがちな契約名称をアプリ上で変更できるなど、導入企業の使い勝手も考慮した。
なお、ペイメント・マイスターのハードウェアは、米国のmophie社が開発した「Marketplace」のOEM供給を受け、ソフトウェアはフライトシステムコンサルティングが独自に開発した。また、中国・Blue Bamboo社の日本語対応iPhone用モバイルプリンタ(P25シリーズ)に関する独占販売権を付与され、国内総代理店契約を締結している。同社では今後、米国Apple社のiPod、iPhone、iPadに接続する電子アクセサリを開発できるライセンスプログラム「MFiライセンスプログラム」へ正式に承認され、FeliCa機能を搭載した新製品開発に着手するなど、サービスの強化に力を入れている。