2015年7月10日8:42モバイル等に添付して非接触決済が可能になるNFC-Stickerを販売
Schreinerは、モバイルやカードに添付するだけで利用できるNFC-Stickerを販売している。すでに欧州での実績を積んでおり、非接触決済が浸透しているオーストラリアなどでの展開を目指している。
非接触決済が可能となる特殊ラベル
MasterCard PayPass決済が可能に
ドイツの企業であるSchreinerは、5~6年前からNFC-Stickerビジネスを展開している。非接触決済が可能となる特殊ラベルとなり、ISO/IEC 14443に準拠している。MasterCardによるグローバルベンダー認定資格プログラム「GVCP」に準拠しており、Stickerの生産プロセスを横断して発行に必要なセキュリティを確保しているという。NFC-Stickerでは、MasterCardの非接触決済サービス「MasterCard PayPass(グローバルではMasterCard Contactless)」の発行が可能だ。また、Visaについても、現在資格の申請中となっている。
「私たちの強みは既存の発行手順もできており、セキュリティシステムも整備されていますので、すぐに発行が可能です。また、壊れたといった声もそれほどございません。お客様はモバイルやカードなどに張り付けて、便利にご利用いただけます」(Schreiner PrinTrust Sales Manager Daniel Bendzko氏)
現在、欧州を中心にNFC-Stickerは出荷。40~50万枚が市場に投入されている。Gemalto(ジェムアルト)やギーゼッケ&デブリエント(G&D)といった企業を通して、銀行(カードイシュア)に納入されている。オーストリア銀行等、5社以上での採用があるそうだ。
NFC-Stickerがさらに普及する機運が高まる
薄さと柔軟性が競合との差別化
同社では、NFC-Stickerがさらに普及する機運が高まっていると感じている。 Schreiner PrinTrust Senior Business Development Manager Richard Stooß氏は、「1つは、非接触決済についての消費者への認知度が高まっていること、もう1つはPOSのターミナルが増えていること」を挙げる。
2015年5月には、オーストラリアで開催された「Cards&Payments Australia2015」に出展したが、オーストラリアではStickerの発行は少なく、競合に比べてパフォーマンスも優れているため、採用が進む可能性はあるとみている。
Richard Stooß氏は、「NFC-Stickerの薄さ、柔らかさといった点で見れば、弊社はオンリーワンの企業であると考えています」と自信をみせる。また、日本市場に関しては興味があるというが、中心となって利用されている非接触ICカードの規格が同社が展開している製品とは異なるため、これから分析していきたいとしている。
今後は、百万枚以上の規模での発行を目指す。