2016年12月15日10:18
世界№1の決済端末ベンダーであるインジェニコ(Ingenico)。同社では決済端末の提供はもちろん、リアル店舗、オンラインおよびモバイルなどのプロセッシング、オムニチャネルソリューションの提供など、多岐にわたるビジネスを展開している。同社の強みと日本市場での展開について説明してもらった。
プロセッシング、オムニチャネルソリューション等を展開
カルフールではグローバルに「Telium Tetra」を活用
インジェニコの決済端末事業は、30年以上の歴史を有しており、世界125カ国以上でサービスを展開。1,000以上の銀行(カード会社)や、加盟店開拓を行うアクワイアラと接続し、250以上の決済方法に対応しているのも特徴だ。グローバルでは決済端末以外に、ペイメントサービス・プロバイダー、オムニチャネルソリューションの展開などを行っている。
Ingenico Group APAC&MIDDLE EAST Executive Vice President Patric Le Marre(パトリス・ル・マール)氏は、「インジェニコは、決済端末会社として、オムニチャネルを展開している唯一の存在だと考えています」と語るように、ネット・リアルを連携させた、幅広いサービスを行っていることが強みとなる。
カード端末機のシステムと完全に統合された決済環境を提供するOS、「Telium Tetra(テリウム・テトラ)」では、決済機能アプリに加え、クーポンやロイヤリティ・プログラムなど、オープンなビジネスアプリが利用可能だ。加盟店は、Ingenicoマーケットプレイスに置かれたさまざまなアプリを利用することが可能であり、支払いにとどまらないサービスを顧客に提供できるとしている。
たとえば欧州の大手流通企業であるカルフールでは「Telium Tetra」が実際に利用されており、16カ国においてペイメントシステムにとどまらず、顧客の情報管理も含めたグローバルな展開で活用されている。
近年では、他の決済端末ベンダーもオムニチャネルソリューションをうたっているが、「弊社はすべてのテクノロジーを提供できるという違いがあります。たとえば、世界で3本の指に入る大きなゲートウェイを提供しており、オンラインでもオフラインでも総合的なサービスを行っており、トークンも他のシステムにアダプトできるため、差別化ができています」と、Patric Le Marre氏は自信を見せる。
Lyudia社株式取得で日本の事業拠点を拡大
2017年後半には日本でも着実な違いが生まれる?
Ingenico Groupでは、EMV化が急速に進むと見込まれる日本市場での展開も強化している。2016年4月26日には、Lyudia社株式取得により日本の事業拠点拡大を発表した。同氏は、「弊社の30年以上の経験と、ローカルの動きを理解しているルディアのメンバーによって、日本の大きな市場に対してサービスを提供していく準備が整いました。インジェニコの技術を使えば、この業界で一歩先を行くことが可能であり、ルディアはこの業界でトップの人材を有しています」と説明する。日本市場で受け入れられているコンタクトレスペイメントシステムのFeliCaへの対応など、ローカル対応も強化している。
Ingenico Groupにとっても日本のマーケットは2~3年投資を続けており、「これまで行ってきたことを着実に続ければ、来年には着実に目でわかるような違いと成功が得られると思います」と同氏は話す。日本企業の場合、最終的な決断までのステップに時間がかかることをビジネス加速の課題として挙げたが、大手小売業での取り組みが煮詰まっており、その成功が日本市場でのショーケースになると見ている。