2010年11月10日8:00
千趣会のCRM施策の現況
前年の購入金額に応じて
「ベルメゾン・ポイント」の付与率などを優遇
同社におけるCRM施策の中心となっているのは、前述の通り、2004年4月にスタートしたロイヤルティ・プログラム「クラブ・ベルメゾン」である。クラブ・ベルメゾンのベースとなっているのは、購入金額200円ごとに1ポイントが付与され、次回以降の購入時に「1ポイント=1円」として利用できる「ベルメゾン・ポイント」だ。クラブ・ベルメゾンでは、前々年12月から前年11月の購入金額に応じて、「ゴールド特典」「プラチナ特典」を用意、ポイントの付与率を変更するなどの施策を講じている。いずれも購買実績に応じて自動的に付与されるかたちであり、顧客側が新たな手続きをする必要はない。
前年1年間の購入金額5万円以上を条件とするゴールド特典は、ポイントの付与率が常時6倍(購入金額200円ごとに6ポイント)になるというもの。
また、2カ月に1回、奇数月に設定されている“感謝ウィーク”にはポイントの付与率が7倍になる一方、偶数月には抽選で1,000名に1,000ポイントをプレゼントするキャンペーンが展開される。このほか、ベルメゾンネットの利用者には、メールマガジン『ベルネメール』の号外版でその月のお買い得情報がチェックできる『ベルネメール号外〈クラブ・ベメゾン限定版〉』を配信している。
一方、前年1年間の購入金額10万円以上を条件とするプラチナ特典は、ポイントの付与率が常時10倍(購入金額200円ごとに10ポイント)、“感謝ウィーク”には12倍になる(偶数月に抽選で1,000名に1,000ポイントをプレゼントするキャンペーン、および『ベルネメール号外〈クラブ・ベルメゾン限定版〉』の配信についてはゴールド特典と同様)。
また、通常は有料で提供している、時間帯指定配送サービスや「返品商品の引き取り」を無料で提供。さらに、最新カタログを一般顧客に先駆けて配送したり、「食と健康生活」「美容」「パソコン基本操作」など暮らしにまつわる10ジャンルについて、各分野の専門スタッフに電話・FAX・eメールを通じて相談できる「クラブ・ベルメゾン生活便利ナビ」を何回でも無料で利用できるようにするなど、充実した特典を用意している。
なお、ゴールド特典・プラチナ特典とも、対象者には前年の12月にダイレクトメールで“認定カード”を封入した「認定のお知らせ」を送付して、特典内容を説明している。特にプラチナ特典については、オリジナル卓上カレンダーも同封しており、好評を博しているということだ。
一足早く「ゴールド特典」「プラチナ特典」認定を受けられる
「先取り認定」制度も好評
クラブ・ベルメゾンでは当初、特典付与のための認定は年1回のみ行うかたちであったが、2008年から新たに、年複数回の認定を行う「先取り認定」制度を導入した。
この制度は1年間の計算期間の経過を待たずに、期間中にゴールド特典・プラチナ特典の認定を受けられるというもの。具体的には、前年12月から当年3月、または6月の段階で、購入金額の累計が5万円以上、10万円以上に達していれば、当年の12月末まで適用されるゴールド特典・プラチナ特典の認定を受けることができる。
同社では、単価5万円以上のブランドバッグやジュエリー・アクセサリー、家具なども取り扱っていることから、1回の購入でゴールド特典・プラチナ特典の認定を受けられることもあり、好評を博しているとのことだ。
なお、毎年10月には、ゴールド特典・プラチナ特典認定者の中で、当年の購入金額が各特典適用の水準に達していない人を対象に、ステージ維持・アップを訴求するダイレクトメール(ハガキ)を送付して購入促進を図るとともに、カタログ上などでもクラブ・ベルメゾンの訴求を強化。制度の浸透と特典対象者の拡大を図っている。
「CRM年鑑2010―CRM&ダイレクトマーケティング成功事例集」の紹介ページ
アイ・エム・プレスの「CRM年鑑2010」では、CRM推進企業30社の(1)企業の概要、(2)CRMへの取り組みの背景、(3)顧客情報の収集・管理方法、(4)CRM施策の現況、(5)CRM施策の効果、(6)課題と展望がまとめられています。本記事では千趣会の(4)CRM施策の現況のみをご紹介しております。