2020年7月14日8:00
メルカリとメルペイは、2020年7月13日に記者説明会を開催し、メルペイ残高・ポイントを送ることができる「おくる・もらう」機能の提供を開始すると発表した。当日は、メルペイ「 おくる・もらう」開発リーダー 中村 奎太氏がサービス提供の背景と機能について説明した。
メルカリとメルペイでシナジー効果を図る
メルカリが提供する「メルカリ」は、2013年4月に提供開始したフリマアプリだ。年間流通総額は5,000億円、月間利用者数は1,650万人に達している。また、昨年2月にサービスを開始したキャッシュレス決済サービス「メルペイ」は、売上金を街中の店舗やeコマースで利用できる。利用者は600万人超に達し、170万カ所で利用可能だ。
メルカリは以前、レディースを中心としたファッションカテゴリーの構成比が高かったが、この1年で本・ゲーム・おもちゃといった商品を含む、「エンタメ・ホビー」カテゴリーが最も高い構成比となっている。一方、メルペイは、非接触サービス「iD」、QRコード/バーコード決済に対応している。直近ではNTTドコモとの連携を発表し、2020年6月に両社のアカウント連携サービスを開始している。9月初旬には、メルペイ、d払いが1つのQRコードで利用可能になる予定だ。現在、メルカリでNTTドコモの「dアカウント」を連携して商品を購入すると、購入金額の20%が手にできるキャンペーンを実施している。メルペイによりメルカリの出品拡大を後押しし、機能拡充やパートナーとのやり取りを進めて、シナジー効果を図っている。
送金のニーズも顕在化
今回新たに、「メルカリ」の売上金を家族や友人に送ったり受け取ったりすることができる「おくる・もらう」機能を開始した。「メルカリ」の売上金(メルペイ残高・有償ポイント)を1円(1ポイント)から手数料無料で送ることができる。送ることができるのは、売上金から購入するポイント(有償ポイント)とメルペイ残高となる。メルペイ残高は1回10万円、1日10万円まで、有償ポイントは1回5,000円、月5,000円まで送ることが可能だ。
同サービス開始の背景として、「メルペイ残高やポイントを送りたい」という声があったからだという。実際、「メルカリ」の利用者を対象としたアンケート調査によれば、40%の人が「メルカリで売って得た売上金を身近な人に送りたい」と回答した。さらに、具体的に「誰に送りたいか」について質問したところ「家族・親族」が65%となり、次いで28%が「友人・知人」に送りたいと回答した。サービスの開始は、「ニーズが顕在化してきたこと大きかった」と中村氏は話す。
例えば、男性の場合は、残業で遅くなった仲間や、妻に感謝やねぎらいの気持ちを込めて送るなどが想定できる。また、既婚者の女性が子供に仕送り的に送る意向も確認できたという。
24種類のメッセージカードで想いもおくる、セキュリティも配慮
具体的な仕組みとして、金額を送る側は、「メルカリ」アプリで受取リンク(URL)を発行し、SMSやLINE等で受け取り人に共有ができる。なお、送る側が初めて使う場合は、メルペイの表示名、アイコンを設定する。表示名は、メルカリのニックネームとは異なる名前となり、メルカリの利用履歴などは共有されないため、心配なく利用できるとした。
送る側は、対象者へのメッセージおよび専用のメッセージカードを添付できる。メッセージカードはイラスト付き、メッセージ付きなど総計24種類のデザインから自由に選択可能だ。暑中見舞い、残暑見舞いなど、季節に合わせて送れるカードもあるそうだ。
受取側は、受取リンクを開き、「友だち確認依頼」を送付。初めて使う場合は、メルカリ表示名を設定し、送る側が承認をすれば、受け取りが完了する。
安心・安全な利用に向けての対策も強化している。前述のように、売上金を送る際に専用のプロフィールを設定することと、送る側、受け取る側の双方向の本人確認が完了して、初めてアカウントに金額が入金されるという。また、マネーロンダリングや不正取引への対策も強化している。