2014年2月24日8:00
スマートフォン決済や国際ブランド準拠の非接触決済サービスを強化
GMO-PGとの連携でO2Oサービスにも積極的に取り組む
国内には数多くの決済処理センターがあるが、独自性のあるサービスを打ち出しているのがGMOペイメントゲートウェイ(GMO-PG)グループ会社のシー・オー・シーだ。ここ数年はトランザクション量や設置台数が堅調に増加。スマートフォン決済ソリューションや国際ブランド準拠の非接触決済サービス、O2Oサービスにも積極的に取り組んでいる。
2010年以降、トランザクションや決済金額は大幅な伸び
病院やゴルフ場に自動精算システムを導入
シー・オー・シーは、2010年にGMOペイメントゲートウェイグループ入り後、決済端末の設置台数は5.4倍、月間トランザクション件数は7.1倍、決済金額は4.2倍に伸びているという。例えば、大手家具チェーンでは季節変動がありながらもカード利用率が年々伸張しトランザクションが増加している。大手家具チェーンでは、2014年に2店舗をオープン。その後も積極的に店舗数を増やす予定であり、さらなる件数の伸びを期待している。
シー・オー・シーは現在、Bitel(バイテル)社、Castles Technology(キャッスルテクノロジー)社、BlueBird(ブルーバード)社などの決済端末を取り扱っている。代表取締役の高野明氏は、「東京五輪をにらみながら、各種ソリューションベンダーとの折衝を行っています」と説明する。現在、グローバルベンダーと話し合いを進めており、米国で展開するO2Oやスマートフォン決済、更にはその先のウェアラブル端末と連携した決済を日本でどう展開していくかを考えているそうだ。
また、自動精算機への組み込みのニーズが多い点は、同社ならではの特徴だ。病院向けの精算機としては、NECのCCT端末を大手精算機メーカーの精算機に組み込んでおり、大学病院や国公立病院などでの利用が進んでいる。また、大手ゴルフ場チェーンにおいて、全コースでの導入が完了し本格稼動している。
さらに、西日本地区の大手電鉄会社の券売機にも導入した。シー・オー・シー 取締役 営業統括部長 井手任氏は、「全国の鉄道やバス会社は未開拓の部分が多く、今後も導入が見込めます。CCTセンターのポジションをベースに、汎用機決済へのゲートウェイセンターとしての特長を強化し、新たなマーケットを開拓していきます。」と意気込みを口にする。
ロイヤルゲートの「PAYGATE」等の拡販を強化
大手家具チェーンでMasterCard PayPassやVisa payWaveがローンチ
最近では、スマートフォンの普及に伴い、従来の専用機から汎用機への流れが加速しているが、主力のスマートフォン決済ソリューションとして、ロイヤルゲートの「PAYGATE」を提供している。PAYGATEは、安全面を意識したサービスとなっており、厳しいセキュリティポリシーが設けられた生保や損保での導入が見込めるそうだ。また、磁気カードの規格としては、JISⅠに加え、日本独自のJISⅡもサポート。高野氏は、「加盟店独自の管理番号をJISⅡに入力しコントロールしていく事で付加価値を高める予定であり、数千台の採用案件があります」と成果を口にする。EMV対応製品も今秋にリリース。今後はスマートフォン決済においても、国際ブランドからEMV対応を求める声が高まると思われるが、その際に他社をリードできるとしている。
また、ライフカードと連携し、ビジネスラリアートが展開する「スマートショット」との接続も完了。短期間で大量の導入を目指している。
今後普及が期待されるMasterCard PayPassやVisa payWaveへの対応も強化している。現状、同社は唯一、MasterCard PayPassやVisa payWaveのセンター対応を行っている情報処理センターとなっている。大手家具チェーンでは、MasterCard PayPassやVisa payWaveのインフラ整備を行っているが、大手カード会社や端末メーカーとともに導入を支援している。「そこが軌道に乗れば、大手企業に続々と広がる可能性もある」と、高野氏は笑顔を見せる。
現在力を入れるのが、インターネット決済処理事業者のリーディングカンパニーであるGMOペイメントゲートウェイとのシナジーの創出だ。高野氏は、「東京五輪に向け、ゲートウェイセンターとしての新たな立ち位置を目指します。ネットとリアルを統合管理することで、お客様への価値を最大化していきたい。今後は東京五輪の開催に向け、イベントも増えてくると思いますので、GMOペイメントゲートウェイと連携した提案も増えると考えています」と語気を強める。
GMO-PGと協力しバーチャルとリアルで決済サービスを提供
スマートデバイスの決済センターで№1を目指す
GMOペイメントゲートウェイと協力し、大型イベント等でのバーチャルとリアルの両決済の提案を展開している。シー・オー・シーでは据え置きに加え、モバイルハンディ端末の3キャリアの展開が可能であり、タブレットPOSによる決済も導入可能だ。また、バーチャルな決済はGMOペイメントゲートウェイが幅広く展開しているメリットがある。
「今後はオムニチャネルがリアルのビジネスに入ってくることで、両社でのビジネス開発を推進していく予定です。CCTセンター事業、加盟店のニーズに沿った商社事業、O2O事業を総合的に提供することで、競争優位性を確保していきたい」(高野氏)
両社が連携して提供する決済サービスは、ある大型イベントへの提供も予定されており、今後更なる展開を進めていく予定だ。
セキュリティ面の整備も進めている。センターの「PCI DSS」対応については、事前調査が完了しており、センター側の対応を進めている。また、端末登録のDLLデータ配信は従来エクセル形式だったが、すでに一部の大手カード会社には電子化して連携しているそうだ。
高野氏は以前から「業界のチェンジリーダーを目指す」と公言しているが、その気持ちはさらに強くなっているそうだ。他社と同じ土俵でサービスを提供するのではなく、「弊社独自のサービスを打ち出していきたい。特にスマートデバイスの決済センターで№1を目指します」と意気込みを見せた。