2017年9月6日7:52
ディー・エヌ・エー(DeNA)は、AIを活用したタクシー配車アプリ「タクベル」の実用実験を横浜市と一般社団法人神奈川県タクシー協会の協力のもと、横浜市の限定エリアを対象に2017年9月12日から10月31日まで実施すると発表した。
同実用実験は、横浜市の中区、西区およびJR横浜線沿線(東神奈川~長津田)周辺のエリアを対象に実施予定で、乗務員専用端末を搭載したタクシー約200台(1日に走行する車両は100台程度)が走行する。同実用実験の目的は、乗客と乗務員による実利用を通じてサービス利用体験上の課題を明らかにし、実用性の高いサービス設計へつなげることとしている。神奈川県内においては、2018年1月以降での実用化を目指す。また、神奈川県以外の地域へも順次導入を進めるそうだ。
「タクベル」の乗客は、アプリで予想到着時間を事前に確認した上で指定の場所へタクシーの配車依頼を行うことが可能だ。周辺を走行中のタクシーが可視化されて表示されるため、空車走行中のタクシーを確認することもできる。その上、迎車地点で乗客と乗務員が効率よく出会えるよう、互いの現在地を確認できる機能や定型メッセージを送り合える機能を実装している。また、ネット決済と車内決済を選択することができ、事前にクレジットカード登録を行うネット決済では、降車時にスムーズな支払いが可能だ。
さらに、「タクベル」にはAIを活用した「需要予測システム」を導入する予定。この「需要予測システム」は、運行中の車両から収集するビッグデータとタクシー需要に関連する各種データを解析し、乗務員へリアルタイムにタクシー需要予測情報を提供するという。
なお、同実用実験は、横浜市とDeNA、横浜DeNAベイスターズ、横浜スタジアムの4者で2017年3月10日に締結した、スポーツ振興と地域経済活性化等に向けた包括連携協定(I☆YOKOHAMA協定)における取り組みの1つとなる。
また、横浜市がIoT、ビッグデータ(オープンデータ含む)、AIの産業利活用や新ビジネス創出を促進し、横浜経済の成長、中小企業のチャレンジ支援と社会課題解決への貢献を目指して2017年4月に立ち上げた「IoTオープンイノベーション・パートナーズ(I・TOP横浜)」の取り組みとしても位置づけられている。